tend Editorial Team

2026.10.23(Fri)

「前の分と相殺ね」香典代を返さない義母。葬儀帰りに突然差し出した紙袋。中身を見た妻が思わず口にした一言

「前の分と相殺ね」香典代を返さない義母。葬儀帰りに突然差し出した紙袋。中身を見た妻が思わず口にした一言

「今回だけ」と言った妻

仕事から帰ると、妻が慌ただしく礼服を用意していました。

その日は親戚の葬儀があり、妻の両親も私たちの車で会場へ向かうことになっていたのです。

私も急いで着替え、妻を助手席に乗せて実家へ迎えに行きました。

夕方の道を、私の運転で会場へ向かいます。助手席には妻、後部座席には義父と義母が並んで座っていました。

信号待ちをしていたとき、義母がふいに妻へ声をかけました。

「ねえ、悪いんだけど、香典代を立て替えてもらえない?」

急な知らせで、香典を包む準備ができていなかったようです。

妻は後ろを振り返り、あきれた顔をしました。

「えっ、また?前の分もまだ返してもらってないよ」

実は、以前にも妻が義母の香典代を立て替えたことがあり、そのお金はまだ返ってきていませんでした。

「分かってるわよ。今度こそまとめて返すから。お願い」

義母は悪びれる様子もなく、にこにこしています。

「もう……。本当に今回だけだからね」

妻はため息をつきながらバッグを開け、今回も立て替えることにしました。

運転しながらそのやり取りを聞いていた私は、心の中で苦笑いしていました。

前の分さえ返ってきていないのに、また「今度まとめて」です。

正直、今回のお金も戻ってこないだろうと思っていました。

「前の分と相殺ね」と差し出された紙袋

葬儀を終えて外に出るころには、すっかり夜になっていました。

義母は会場で受け取った香典返しの紙袋を大事そうに抱え、後部座席に乗り込みました。

帰りの車内はしばらく静かでした。

妻も疲れたのか、助手席で黙って前を向いています。立て替えたお金の話も出ないまま、車は夜道を走っていました。

ところが突然、後部座席からガサガサと袋の音が聞こえてきました。

「はい、これ。前の分と相殺ね」

義母が身を乗り出し、香典返しの紙袋を妻に差し出したのです。

「え?これで?」

妻は戸惑いながら紙袋を受け取り、中をのぞきました。

そして、ぽつりと言いました。

「……お母さん、これ、お茶だよ」

「えっ、お茶?」

義母は驚いた顔で、妻の手元の袋をのぞき込みました。

どうやら、中身をよく確認していなかったようです。

隣に座っていた義父は、そっと窓のほうに顔を向けました。その肩が小さく揺れています。

私も思わず吹き出しそうになりましたが、運転中なので必死にこらえました。

まさか、香典返しのお茶で以前の立て替えを帳消しにしようとするとは。

義母のあまりに堂々とした様子と、妻の冷静な返事がおかしくて仕方ありませんでした。

妻の実家に到着すると、義母は私たちを居間へ呼びました。

そして財布を取り出し、前の分と今回の分をきちんとそろえて妻に渡したのです。

「はい、これで本当に返したわよ。お茶は利息がわりね」

「もう!最初からお金で返してくれればいいのに!」

妻はあきれながらも、とうとう笑い出しました。

私もそこで、帰りの車からずっとこらえていた笑いを抑えきれなくなりました。

返ってこないと思っていたお金は無事に戻り、思いがけずお茶までついてきたのです。

あの夜の義母の得意げな顔は、今でも忘れられません。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.24(Sat)

「大事な人へのプレゼントなんです」恋人への贈り物だと張り切った店員。数日後、恥ずかしい勘違いが発覚
tend Editorial Team

NEW 2026.10.24(Sat)

「親子なんだから返す必要なんてないだろ」100万円を返さない父。だが、10年分の家計簿を開いた母の一言
tend Editorial Team

NEW 2026.10.24(Sat)

「自分で選ぶから、あっちに行っててちょうだい」花屋のケースに手を伸ばした客。だが、花束に付いた札を見て黙った理由
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.06.25(Thu)

「野外活動のときは十分気をつけないと」とネットで心配の声。ダニ媒介の感染症「SFTS」が過去最多ペースで拡大
tend Editorial Team

2026.07.12(Sun)

「パパいる?相談したいんだ」離婚話の最中に義母へこっそり電話した夫→隠れた本性に戦慄
tend Editorial Team

2026.06.22(Mon)

「こういうのは嫁がやって当然」正月の集まりで妻に雑務を丸投げした義母。だが、夫の一言で空気が一変
tend Editorial Team