「こういうのは嫁がやって当然」正月の集まりで妻に雑務を丸投げした義母。だが、夫の一言で空気が一変
嫁だけが動く食卓
結婚して数年。義実家で迎える、初めてのお正月だった。
親戚が大勢集まり、リビングは朝から賑やかだ。
私はその輪に加わることもなく、ずっと台所と部屋を往復していた。
料理を運び、お茶を出し、空いた皿を下げる。
「こういうのは嫁がやって当然」
義母は、私が動くたびにそう言った。
手伝おうとする親戚もいない。座って談笑する人たちの間を、私だけが黙って動き回っていた。
笑いながらの侮辱
料理が並び、みんなが食卓を囲んだ。その和やかな席で、義母が私を見て笑った。
「○○さんはまだ慣れてないからね」
親戚たちから、つられたような笑いがもれる。
私は曖昧に微笑むしかなく、また立ち上がってお茶のおかわりを注ぎに行った。
「気が利かないと、嫁は務まらないわよ」
背中に投げられる言葉に、私はただ「はい」とうなずく。
悪気はないのかもしれない。けれど、その場の居心地の悪さは、どんどん膨らんでいった。
誰も助け舟を出してくれない。
この家では、私が一人で動くのが当たり前なのだと、思い知らされていく時間だった。
取り分けの小皿が足りないと言われれば台所へ走り、お茶が冷めたと言われればポットを取りに戻る。
座る暇もないまま、私はずっと部屋の隅と台所を往復していた。
「若いんだから、これくらいできて当然よね」
義母の声に、また数人が笑う。
その笑い声を背に、私は黙って次の皿を運んだ。
夫の制止
そのとき、隣で黙っていた夫が箸を置いた。そして、母親をまっすぐ見て言った。
「さすがにやりすぎじゃない?」
場の空気が、すっと張りつめる。義母の顔から、笑みが消えた。
「何よ、嫁が動くのは普通でしょう」
「さっきから、妻ばっかり働いてるよ。正月くらい、みんなで手分けすればいいじゃん」
義母は反論しようと口を開きかけ、けれど言葉が続かなかった。
気まずそうに視線を泳がせ、そのまま黙り込む。すると、ずっと黙って聞いていた年配の親戚がうなずいた。
「そうよねえ、お嫁さんに任せきりだったわ」
何人かが腰を上げて、皿を下げ始める。
さっきまでの空気が、はっきりとピリッとしたものに変わっていた。
その後、義母が私に細かく口を出すことは、ぱたりとなくなった。完全に打ち解けたわけではない。それでも、私を見下すような態度は、もう見せなくなった。
夫の一言が、義母との間にちょうどいい距離を作ってくれたのだ。
「我慢しなくてもいいんだ」
そう思えただけで、肩の力が抜けた気がした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














