「隣の家、売れたみたいよ」隣の柿の実と落ち葉に悩まされた10年。だが、空き家が売却され状況が一変
毎年秋になると始まる掃除
子どもを連れて実家に戻ってから、毎年秋になると頭を悩ませていたことがありました。
原因は、隣の空き家の庭に立っていた一本の大きな柿の木です。
実家は古い住宅が並ぶ一角にあり、隣の家は長い間誰も住んでいませんでした。
人の手が入らなくなった庭では柿の木が年々大きくなり、いつしか枝の一部がうちの庭側まで伸びてくるようになったのです。
秋になると、大量の落ち葉が風に乗って庭へ入ってきました。それだけなら掃除をすれば済むのですが、困ったのは熟した柿の実でした。
風の強い日には実が落ち、塀の近くや庭先で潰れていることもありました。そのままにしておけば虫が集まるため、朝になると落ち葉と一緒に片付けるのが日課になっていました。
最初の数年は「季節のことだから仕方ない」と思っていました。しかし、それが毎年続くとなると話は別です。
私は近所に住んでいた空き家の持ち主に、何度か枝を剪定してもらえないかお願いしました。
ところが返ってきたのは、あまり気乗りしない様子の言葉でした。
「秋だけなんだから、そのうち落ち着くでしょう」
大がかりな伐採をお願いしたわけではありません。ただ、こちら側まで伸びた枝だけでも手入れしてほしかったのです。
それでも持ち主が動くことはなく、結局その年も私が落ち葉と柿の実を片付けることになりました。
そんな秋が、何度も繰り返されました。
10年目に突然始まった解体工事
気づけば、隣の柿の木に悩まされるようになってから10年近くが経っていました。
誰かが空き家を買って住んでくれれば、庭も手入れされるのに。
そんなことを考えることはありましたが、長年変化がなかったため、私はすっかり諦めていました。
ところが昨年、突然状況が変わりました。
ある日、隣の空き家の前に業者らしい人たちが出入りしていることに気づいたのです。
その後、近所の人から「隣の家、売れたみたいよ」と聞きました。
しばらくすると解体工事が始まり、古い建物と一緒に、庭の柿の木も伐採されることになりました。
重機が入り、長年そこにあった木が少しずつ取り払われていく様子を、私は庭から眺めていました。
毎年秋になるたびに落ち葉を掃き、潰れた実を片付けていたことを思い出すと、なんとも言えない気持ちになりました。
空き家がなくなったあと、その土地には新しい家が建ちました。
そして今年の秋。
以前のように庭一面へ柿の葉が飛んでくることも、熟した実の周りに虫が集まることもなくなりました。
朝、庭に出るたびに掃除道具を手にしていた頃を思うと、その静かさが不思議なくらいです。
自分ではどうすることもできず、半ば諦めていた隣家の問題。思いがけない形ではありましたが、10年近く続いた悩みがようやく終わった出来事でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














