
大手チェーンとは思えぬ荒廃した店舗。高齢店員が切り盛りする空間が、一つの指摘で消えた物語
どの街にも当たり前にあるコンビニ。しかし、その扉の向こうに広がる光景が、私たちの知る「日常」とかけ離れていたらどうでしょうか。ある男性が遭遇したのは、大手チェーンの看板を掲げながらも、中身は完全に崩壊していた一軒の店舗でした。
店内に入れば、商品の並びは乱雑で、床には埃が。何より驚くのは、スタッフが揃いもお揃いでお年寄りばかりだったことです。レジに誰もいないのは日常茶飯事。客が声を張り上げても5分以上放置されるのは当たり前。まるで過疎地の個人商店をそのまま持ち込んだような、奇妙で危うい空気が漂っていました。
SNSでは、こうした店舗の現状に驚きと理解の双方が入り混じった声が上がっています。
『お年寄りが元気に働いているのは良いことだけど、最低限の清掃や品出しができないのは問題だと思う』
『人手不足の時代だし、誰でもいいから雇わないと回らないのかもしれない。でも、流石にレジで5分待たされるのは厳しいな』
『コンビニはインフラなんだから、24時間開いていれば良いってわけじゃない。クオリティの維持は本部の責任では?』
客に寄り添おうとする姿勢はあったようです。ある店員は「置いていない銘柄でも取り寄せるよ」と親身になってくれたといいます。ところが、数日後に訪ねてみれば「そんな約束しましたっけ」と真顔で返される始末。善意はあるものの、実務が追いつかない。そんなもどかしい状況が続いていました。
そして迎えた暑い夏の日。決定的な事件が起こります。男性が注文したソフトクリームに、15分もの時間を要したスタッフ。ようやく手渡されたそれには、店員の指がコーンを貫通した跡が残っていました。あまりの惨状に男性が本部の窓口へ状況を伝えると、数日後、店にはスーツ姿の指導員が現れ、店員たちは不自然なほどキビキビと動き始めました。
『本部も苦情を受けて初めて重い腰を上げたんだろうね。ソフトクリームの件は衛生面でもさすがに見過ごせなかったはず』
『改善されるならいいけれど、長年染み付いたやり方を変えるのはお年寄りには酷だったのかも』
しかし、そのわずか一週間後、店舗には無情にも閉店のお知らせが貼り出されたのです。個人の小さな指摘が引き金になったのかもしれませんが、おそらくは蓄積された運営上の課題が、限界点を突破してしまったのでしょう。
消えてしまったコンビニの跡地を眺めながら、男性は、少しの申し訳なさを感じたといいます。














