「うちの子がかわいそう!」別れたばかりの元彼の母からかかってきた電話。だが、隣の友達の一言で黙り込んだ
話し合いで別れたはずが、突然の電話
数年付き合った彼とは、将来の見通しが合わなくなり、話し合いの末にきれいに別れた。
お互いに納得した上での判断だったし、引きずるつもりはまるでなかった。別れてから一週間ほど経ったころ、私はもう気持ちを切り替えて日常に戻っていた。
そんなある夜、知らない番号からスマートフォンに着信があった。
出てみると、元彼の母親だった。
「うちの子がかわいそうじゃないの。こんなに長く付き合ってたのに、なんでそんなことするの」
突然の電話だった。
息子をかばいたい気持ちはわかった。でも私たちが別れたことには、ちゃんとした理由があった。
それを伝えようとしても、元彼の母親の声は止まらなかった。「あなたが悪い」「うちの子には何の落ち度もない」。そんな言葉が繰り返された。
電話を切れば角が立つ。
かといって言い返すと余計こじれる。私はただ受話器を持ったまま、相手の言葉をやりすごすことしかできなかった。
気がつけば40分近く、相手は一方的に話し続けていた。
「どれくらい続くんだろう」と思いながら、ただ相槌だけを返していた。
きちんと向き合って話したところで、相手の気持ちが変わるとは思えなかった。息子かわいさで掛けてきた電話なのだ。論理で応じても意味がない。
それでも、沈黙が続くのも怖かった。
友達が受話器を取った瞬間
ちょうどその日は友達の部屋にいた。長引く電話を隣で聞いていた友達が、やがて静かに手を差し出してきた。
「私が出るよ」
友達はそう言って受話器を受け取ると、元彼の母親の言葉をさらりと受け止めてから、落ち着いた声でこう伝えた。
「彼女には新しい方もいて、新しいお母さんになれる方と出会えそうって、とても明るく話してくれてたんですよ」
電話口が静かになった。それから短い言葉が返ってきて、通話は終わった。
受話器を返してもらったとき、胸のつかえが一気に取れた感覚があった。
「こちらはもう前を向いている」。その事実を、たった一言で届けてくれた友達の機転には、ただただ感謝しかなかった。
言いたくても言えなかった言葉を、違う形で代わりに届けてもらった気分だった。
それ以降、元彼の母親から連絡が来ることは一度もなかった。
共通の知人を通じて元彼の近況が耳に入ることが何度かあったが、そのたびに自分の気持ちがもうすっかり別のところへ向いているのを実感した。
あの夜、友達がそばにいてくれなければ、ひたすら黙って電話をやりすごすだけで終わっていたと思う。形勢を変えてくれたのは、理屈でも反論でもなく、たった一言だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














