「あなたのせいですよね、これ」と毎回責任をなすりつけてくる同僚。だが、上司が突きつけた事実で状況が一変
積み重なっていた「そっちのせい」
前に勤めていた職場での話だ。
同じ部署に、問題が起きると必ず他者のせいにする同僚がいた。
最初の一度は「伝え方が悪かったのかも」と流せた。
だが二度、三度と続くうちに、パターンが見えてきた。資料の誤りを伝えると、強い口調で言い返してくる。
「あなたのせいですよね、これ」
数字のズレを確認するとさらに重ねてくる。
「そっちが渡したデータが悪い」
言い訳の種類は変わっても、結末はいつも同じだった。
責任がこちらに転嫁されて終わる。
証拠を残して話し合えばよかったのかもしれないが、こちらが問い詰める形になるのも避けたかった。
穏やかな外見のせいか、周囲からは「仕事が丁寧な人」と見られていたので、訴えても信じてもらえるか自信がなかった。
履歴が語り始めた日
クライアントとの打ち合わせで、資料の数字が先方のデータと合わず、その場が止まった。
上司が状況の整理に入り、翌日には原因調査が始まった。
メールのやりとりと、共有フォルダの更新履歴を一つずつ確認していくと、どのタイミングで誰が何を変更したかが全部出てきた。
証拠の積み重ねは確かなものだった。その結果、ミスの出どころは同僚側の作業だと判明した。
上司に呼ばれた同僚は、最初は口を開こうとした。
だが上司が履歴の画面を見せながら順を追って説明すると、言葉が続かなくなった。
「人のせいにする前に、自分の作業を見直しなさい」
静かだが、はっきりした声だった。同僚はその後、何も言わなかった。
あれほど続いた責任転嫁は、その日以来ぴたりとなくなった。
同僚の態度が変わったのか、こちらへの関わり方が変わったのかはわからない。ただ、仕事の中で感じていたじわじわとした重さが、消えた。
誰かに証明してもらうことなど期待していなかっただけに、その解放感は静かで、それでいて確かだった。黙って続けてきた時間が、ようやく報われた気がした。あの日の上司のひと言は、短かったが十分だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














