「これ、私には大きすぎて運転できない!」大型車を強引に契約した夫。だが、子供の送迎をお願いした結果
試乗で伝えたのに
車検十三年の車を、いよいよ買い替えることになった。私はディーラーに着く前から、夫に念を押していた。
「今度こそ、私も運転できる車にしてね」
自分のスマホは二年ごとに買い替えるくせに、私の欲しい物は「どうせ使わない」と却下する人だ。
今回ばかりは、と思っていた。
けれど夫が選んだのは、私の希望とは正反対の大型車だった。
試乗させてもらって、すぐに分かった。車幅が掴めず、ハンドルを握る手が震える。
「これ、私には大きすぎて運転できない!」
「でかい方がかっこいいって。これにしよう」
私の言葉は、最初からなかったことにされていた。
運転手は夫ひとり
「無理だって言ってるのに、なんで聞かないの」
「すぐ慣れる。大丈夫だって」
慣れる以前に、駐車場に入れることすら怖い。
それでも夫は強引に契約してしまった。当然、私はその車に乗れない。日々の用事は、すべて夫がやるしかなくなった。
「ねえ、子どものお迎えお願い。私は運転できないから」
「なんで毎回俺なんだよ」
「あなたが選んだ車だもの。私は運転できないって、ちゃんと言ったよ」
夫は不満そうだったが、自分が招いたことだとはまだ思っていない様子だった。送迎、買い出し、雨の日の駅まで。私が当たり前にこなしていた家の足が、ぜんぶ夫に回っていく。
「今日も俺が行くのかよ」
「あなたが運転できる車を選んだんだから、仕方ないでしょ」
そう返すと、夫は決まって黙り込んだ。
最初のうちはまだ「かっこいいから」と強がっていたが、その余裕も日を追うごとに薄れていった。
白旗を上げた夜
仕事帰りに買い出し、休日は一日中運転手。これまで私が黙ってこなしていた家事の量を、夫は身をもって思い知ったらしい。数週間で、夫の顔から余裕が消えていった。ある晩、食卓で夫がついに音を上げた。
「お前も運転できないと回らない」
私はゆっくりお茶を飲んでから、静かに言った。
「最初から言ったよね?」
夫の動きが止まった。反論しようと口を動かしかけ、言葉が出てこない。
視線をさまよわせ、やがて気まずそうに目を伏せた。
「……ああ。お前の言う通りだった」
翌週、夫は自分からディーラーへ向かった。私でも運転できるサイズの車を一台足し、これからは大きな買い物を二人で決める、というルールができた。
「勝手に決めて、悪かったな」
あれだけ「かっこいい」を連呼していた夫が、もうその言葉を口にすることはなかった。
私の意見をきちんと聞くようになった夫を見て、ようやく対等になれた気がした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














