「久しぶり。元気にしてた?」疎遠になったママ友。私の働くスーパーで出会った時に感じた本音
短い列ではなく、私のレジに並んだ人
夕方のスーパーは、一日の中でも特にレジが混み合う時間です。
商品をスキャンしながら顔を上げると、列の少し後ろに見覚えのある女性が立っていました。
一年前まで、娘同士をよく遊ばせていたママ友でした。
隣のレジのほうが早く進んでいるのに、彼女は列を移りません。何度かこちらと目が合い、やがて順番が来ました。
「久しぶり。元気にしてた?」
以前と変わらない明るい声でした。
「いらっしゃいませ。ポイントカードはお持ちですか?」
私は店員としていつも通り応対しました。
彼女とは、子どもたちが小さい頃によく公園で顔を合わせていました。
家も近く、育児の話をしたり、一緒に買い物へ行ったりすることもありました。
ところが、ある頃から少しずつ会う機会が減っていきました。
ちょうどその頃、私は娘について気になっていることがあり、専門の方にも相談しながら様子を見ていると彼女に話したことがありました。
ただ、それが疎遠になった理由だったのかは、今でも分かりません。
彼女にも家庭の事情や人付き合いの変化があったのかもしれません。それでも、約束が何度も流れ、連絡もほとんど来なくなったことで、私は「もう以前のような関係ではないんだ」と受け止めました。
そのまま一年近く、個人的に話すことはありませんでした。
戻すつもりのない関係もある
レジ台の上には、卵や牛乳、野菜が並んでいました。
「ここで働いてたんだね。知らなかった」
「卵は上にお入れしますね」
私が答えると、彼女は少し間を置いてから言いました。
「今度、時間があったらお茶でもしない?」
以前なら、きっとすぐに予定を確認していたと思います。
でも、そのときの私は、無理に昔の距離へ戻る必要はないと思っていました。
嫌いになったわけではありません。
ただ、一度離れたことで、私の中ではすでに関係が変わっていたのです。
「お会計、千三百二十円です」
私はそれ以上、個人的な話には入りませんでした。
彼女も何かを察したのか、「そっか」と小さく笑い、財布からお金を出しました。
「ありがとうございました」
商品を受け取った彼女は、袋詰め台へ向かう前に一度だけこちらを見て、小さく会釈しました。
私も同じように頭を下げました。
その後、店内で何度か顔を合わせることはありましたが、以前のように話すことはありませんでした。
それでも、すれ違えば互いに軽く会釈をします。
誰かと疎遠になると、理由をはっきりさせたくなることがあります。
けれど、必ずしも答えが出るとは限りません。
もう無理に確かめなくてもいい。今の距離がお互いに穏やかなら、それで十分なのだと思えるようになりました。
その日の仕事を終え、娘を迎えに行くと、娘は今日あった出来事を楽しそうに話してくれました。
私はその声を聞きながら、今そばにある関係を大切にしていこうと思いました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














