「5本ほしいんだけど、3本しかないの?」売り切れを伝えるたび不機嫌になった客。だが、翌週見せた変化に感じた本音
残っていたのは3本だけ
揚げ物のテイクアウト店で働いていたころの話です。昼の混雑が落ち着くと、ショーケースの商品は少しずつ減っていきます。
その日の午後、手羽先は残り3本になっていました。
そこへ、50代くらいの男性がやってきました。
「手羽先、5本ちょうだい」
「申し訳ありません。本日は残り3本なんです」
そう伝えると、男性はショーケースを見ながら眉をひそめました。
「あと2本くらい、今から揚げられないの?」
店の手羽先は、事前に下味をつけて仕込んだ分だけを販売しています。注文を受けてからすぐ追加できる商品ではありません。
事情を説明しましたが、男性は納得できない様子でした。
「せっかく来たのに、ないのかよ」
言い方は強かったものの、欲しかった数がそろわず残念なのだろうとは思いました。
ただ、こちらにも出せないものは出せません。
結局、男性は残っていた手羽先3本と唐揚げを注文しました。
会計でも止まってしまった
会計になると、男性はスマホを取り出しました。
私の店では、その決済方法を使う場合、お客様自身のスマホでレジ横の二次元コードを読み取り、金額を入力してもらう仕組みでした。
「こちらを読み取っていただけますか」
そう案内すると、男性はスマホをコードに向けました。しかし、しばらく待っても画面が変わりません。
「反応しないんだけど」
画面を見ると、決済アプリではなく通常のカメラを開いているようでした。
「決済アプリの中に読み取りのボタンがありますので、そちらからお願いできますか」
「分かりにくいな」
男性はいら立った口調で言いました。
私は画面を直接触らないようにしながら、ボタンの位置だけを説明しました。
男性が操作すると、今度はすぐに読み取り画面が開きます。
「ああ、これか」
その後は問題なく支払いが終わりました。
翌週、同じ男性が来た
男性は商品を受け取ると、その日は特に何も言わずに店を出ていきました。
売り切れの商品を出せなかったことも、決済方法を案内したことも、店としては普段どおりの対応です。
それでも、強い口調で言われると少し疲れが残りました。
ところが翌週、同じ男性がまた来店しました。
今度はショーケースを見てから、先にこう聞きました。
「手羽先、今日は何本ある?」
「今でしたら6本あります」
「じゃあ5本お願いします」
前回のような強い言い方ではありませんでした。
会計になると、男性は自分で決済アプリを開き、迷わず二次元コードを読み取りました。
支払いを終えると、紙袋を受け取りながら小さく「どうも」と言って帰っていきました。
謝罪されたわけではありません。
それでも、前回とは少し違う様子を見て、こちらの説明はきちんと伝わっていたのだと思いました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














