「それ、去年も聞いてたよ」親戚の集まりで毎年同じ質問をする伯父。だが、いとこが返した一言で態度が一変
親戚の集まりが少し苦手だった
大学生だったころ、年に二度ほど親戚が集まる機会がありました。
祖母の家に十人ほどが集まり、大皿の料理を囲んで近況を話す、ごく普通の集まりです。
ただ、私はその日が近づくと、少しだけ気が重くなっていました。
理由は、伯父から毎回ほとんど同じことを聞かれるからです。
「大学はどうだ」
「ちゃんと勉強してるか」
「将来は何になるんだ」
もちろん、心配して聞いてくれているのだと思います。
それでも、進路についてまだ迷っていた当時の私には、毎回答えに困る質問でした。
その日も祖母の家へ向かう途中、三歳上のいとこと一緒になりました。
「今日も聞かれるかな」
私がそう言うと、いとこは笑いました。
「たぶん聞かれるね。俺も学生のころ毎回だったよ」
やっぱり聞かれた同じ質問
座敷では、焼き鳥や煮物などの料理が並び、親戚同士で近況報告が始まりました。
しばらくすると、向かいに座っていた伯父が私を見ました。
「大学はどうだ。勉強してるか」
「まあ、一応」
「就職はどうするんだ。もう決めたのか」
「まだ迷ってます」
すると伯父は、少し考えるような顔をして言いました。
「早めに決めておいたほうが楽だぞ」
「そうですね」
去年も似たような話をしたな、と思いながら、私は曖昧に笑いました。
自分でも悩んでいることなので、悪気のない質問だと分かっていても、何度も聞かれると少し疲れてしまいます。
いとこの一言で空気が変わった
そのとき、隣にいたいとこが焼き鳥を取りながら、何気なく口を挟みました。
「伯父さん、それ去年も聞いてたよ」
伯父がこちらを見ます。
「そうだったか?」
「去年どころか、一昨年も聞いてた気がする」
いとこが笑うと、伯父も少し照れたように笑いました。
「そんなに同じこと聞いてたか」
「毎年ちゃんと答えてるよ」
すると伯父は私に向かって、
「じゃあ今年はもう聞かんでおくか」
と言いました。
「お願いします」
私も思わず笑ってしまいました。
その後は、近所にできた店や旅行の話になり、進路について聞かれることはありませんでした。
帰り道、いとこが言いました。
「来年になったら、また忘れて聞くかもしれないけどな」
「そのときは、また止めてください」
そう答えると、いとこは笑っていました。
伯父に悪気がなかったことは分かっています。それでも、毎年少し重く感じていた質問を、いとこが冗談めかして止めてくれたことで、その日の集まりはいつもより気楽に過ごせました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














