「あら、本当に慣れてないのね」苦手な料理を笑った義母。翌週、夫の一言で義母の態度が一変
親戚が集まったお盆の昼
お盆に夫の実家へ行くと、庭には何台もの車が並んでいました。義父母のほか、夫の兄夫婦や叔母、従兄弟たちも来ていて、家の中は朝からにぎやかです。
私は結婚してまだ日が浅く、義実家の台所にも慣れていませんでした。それでも何もしないのは気が引けて、玄関で義母に声をかけました。
「何か手伝います。料理はまだ慣れていないので、簡単なことならできます」
「じゃあ、きゅうりを切ってもらおうかな」
そう言われて台所に立ち、渡された包丁を握りました。
しばらくすると、義母が居間にいる親戚たちに向かって笑いながら言いました。
「さっき聞いたんだけど、料理はまだ苦手なんですって」
座卓のほうから笑い声が聞こえます。
「うちの家系はみんな料理するからねえ」
誰かがそう続けました。
悪意のある言い方ではなかったのかもしれません。ただ、十人近くいる前で自分だけを話題にされたことが恥ずかしく、包丁を持つ手に力が入りました。
きゅうりの厚さが揃わなくなると、義母が横から覗き込みます。
「あら、本当に慣れてないのね」
また笑い声が聞こえました。
夫を見ると、座卓の端に座ったままこちらを見ています。しかし、何も言いませんでした。
帰りの車で伝えたこと
帰り道、私はほとんど話しませんでした。夫が何度か話しかけてきましたが、返事も短くなります。
しばらくして、夫が聞きました。
「今日のこと、嫌だったよね?」
「料理ができないって言われたことより、みんなの前で笑われたのが嫌だった」
夫は黙りました。
「ああいう場だと、私からは何も言えないよ」
「……そうだよな」
それ以上、夫は何も言いませんでした。
私も義母とけんかをしたいわけではありません。ただ、夫にはあの場で一言だけでも何か言ってほしかったという気持ちが残りました。
翌週、夫が先に口を開いた
翌週、義母から「野菜を持って帰りなさい」と連絡があり、夫と二人で実家へ寄りました。
夕食をごちそうになっている途中、夫が箸を置きました。
「母さん、先週のことなんだけど」
「何?」
「料理のこと、みんなの前で言う必要はなかったと思う」
義母の手が止まりました。
「そんな、からかったつもりじゃないわよ」
「分かってる。でも、本人が嫌だったって言ってるんだから、もうやめて」
夫がそこまで言うとは思っていませんでした。
すると、向かいに座っていた兄嫁が小さく口を開きました。
「私も最初のころ、料理のことをみんなの前で言われたことがあります」
義母は兄嫁と私を交互に見ました。
少し黙ったあと、ため息をつくように言います。
「そう。私は冗談のつもりだったけど、嫌だったならごめんなさい」
「はい」
帰り際、義母はいつものように野菜の入った袋を渡してくれました。
車に乗ってから、私は夫に言いました。
「先週も、それ言ってほしかったな」
夫は少し困った顔をしました。
「ごめん。あのときは、どう言えばいいか分からなかった」
一週間遅れでしたが、その言葉を聞けただけで、少し気持ちが軽くなりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














