「食べ終わるまで待ってるから」異常な執着を見せてきた高校の同級生。20歳の私に突然届いた長文に恐怖
画面を下へ送っても、文字が終わらなかった
20歳の誕生日を過ぎたころ、見覚えのある名前が画面に浮かんだ。
高校を卒業してから一度も連絡を取っていない相手だった。
開くかどうか、しばらく指を止めたままでいた。
本文は長かった。
下へ送っても送っても終わりが見えず、長いレシートを両手で広げているような気分になった。
最初には「あの時は申し訳なかった」とあり、当時の思い出が細かく並んでいる。
そして最後に、「もう一度会いたい」と書かれていた。
同じ大学に通っていた友人に、私はその画面を見せた。
「ねえ、ちょっとこれ見てくれる?」
友人は画面を少し読んでから、私の顔を見た。
「…え、誰から?」
「高校のとき、同じクラスだった子」
「こんな長いの送ってくるって、仲よかったの?」
その言葉に、私はすぐ答えられなかった。
「仲がいいっていうか…ちょっと違うんだよね」
言いながら、高校時代のことが少しずつ頭に戻ってきた。
決められていたのは、口に入れる物までだった
女子校だった。
二年生になったころ、その子は私の一日を細かく決めるようになった。
試験の期間は、勉強を始めるときと終えるときに連絡すること。
毎日口にした物を報告すること。
ほかの子とは話さないこと。
最初は言われるたびに返していたが、だんだん息苦しくなっていった。
昼休みには、使われていない教室へ呼ばれた。
彼女が家で作ってきた菓子を渡され、飲み込むまで正面からじっと見られていた。
硬い菓子で、噛み終えるまでに時間がかかった。
「…まだ食べてるの?」
「うん。ちょっと硬くて」
「ちゃんと食べてね。残したら嫌だから」
「食べてるよ」
「まだ口の中にあるでしょ。大丈夫、食べ終わるまで待ってるから」
そう言って、彼女は私の向かいから動かなかった。
そのうち私は、届いた連絡を見ることさえつらくなり、返せなくなった。
すると相手は母のほうへ回った。
夜中でも明け方でも家の電話が鳴り、母は受話器を持ったまま長く黙っていた。
「また…あの子?」
私が聞くと、母は困ったようにこちらを見た。
「うん。でも、あなたは出なくていいから」
それだけ言って、また受話器に耳を当てた。
私はしばらく学校を休んだ。教科書は机の端に積まれたままになった。
卒業してからは、その名前をなるべく思い出さないようにして過ごしてきた。
だから20歳になって、突然その名前が画面に浮かんだとき、指の先が冷たくなった。
友人は最後まで画面を読まず、私にスマートフォンを返した。
「…これ、返したい?」
「分からない。返したほうがいいのかなって思うけど」
「でも、会いたくはないんでしょ?」
私は少し黙ってから、うなずいた。
「うん。会いたくない」
友人はそれ以上詳しく聞かなかった。
「じゃあ、無理して返さなくていいんじゃない?」
「…そうだよね」
私はもう一度だけ長い文章を見てから、画面を閉じた。
それ以来、そのメッセージには返事をしていない。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














