コンビニのトイレにプリンのゴミを捨てる客。「プリンを買う年配の男性って来ますか?」近くの店から来た電話で、注意して対応した結果
近くの店からかかってきた電話
学生のころ、私はコンビニでアルバイトをしていました。
平日の夕方、レジの奥にある電話が鳴りました。そのときオーナーは納品された商品の確認をしていたため、私が受話器を取りました。
「突然すみません。近くの店なんですけど…そちらにも、よくプリンを買う年配の男性って来ますか?」
思いがけない質問に、私は聞き返しました。
「プリン、ですか?」
「はい。うちで買ったあとトイレで食べて、容器をそのまま置いていくことが何度かあって。そちらにも行っているかもしれないので、一応お伝えしておこうと思って」
上着を着ていることが多い年配の男性だというので、私は簡単にメモを取りました。
「分かりました。気をつけてみます。ありがとうございます」
電話を切ったものの、そのときは特に心当たりがありませんでした。
ところが数日後、また同じ店から電話がありました。
「この前の男性、今日もこちらに来ていて…。そちらは大丈夫ですか?」
「今のところは……あ、でも」
そこまで答えたところで、ふと思い出しました。
最近、お手洗いを掃除すると、手洗い台の脇などにプリンの空き容器が置かれていることがあったのです。
一度なら気にしなかったと思います。ただ、何度か続いていました。
「そういえば、うちのトイレにもプリンの容器がよく置かれてます」
「やっぱりそうですか…。同じ方かどうかは分かりませんけど、念のため気をつけてください」
「はい。オーナーにも話してみます」
電話を切ると、急に気になり始めました。
「そんなにあったの?」
その夜、私はオーナーに電話のことを報告しました。
「今日、近くのお店からまた電話があったんです」
「この前と同じ話?」
「はい。それで……私、今さら思い出したんですけど」
「どうした?」
「トイレにプリンの容器がよく置かれてるんです。多いときは週に3個くらいあって」
オーナーは目を丸くしました。
「え、そんなにあったの?」
「はい。でも、誰かが捨て忘れただけだと思って、そのまま片づけてました」
「そっか。それなら気づかなくても仕方ないよ。でも、またあったら教えてくれる?」
「分かりました。すみません、もっと早く言えばよかったですね」
「いやいや。これだけじゃ同じ人かも分からないし。次からちょっと気にして見てみよう」
責められると思っていた私は、その言葉に少しほっとしました。
男性に声をかけたオーナー
その週の終わり、年配の男性がプリンを一つ持ってレジに来ました。
私は会計を済ませ、商品を渡しました。
男性はそのままお手洗いへ向かいます。
電話で聞いた男性と同じ人なのかは分かりません。ただ、プリンのことが頭に残っていた私は、少し気になっていました。
しばらくして男性がお手洗いから出て、出口へ向かいました。
男性がまだ店内にいる間に、オーナーがお手洗いを確認すると、手洗い台の脇に空のプリン容器が置かれていました。
オーナーは男性のところへ歩いていき、声をかけました。
「すみません、お客様。ちょっとよろしいですか?」
男性が振り返ります。
「はい?」
「今、お手洗いを使われましたよね。プリンの容器が置いてあったんですが、お客様のものでしょうか」
男性は一瞬黙り、それから気まずそうに頷きました。
「ああ……はい。私です」
オーナーは怒ることなく、いつもの接客と変わらない調子で続けました。
「すみません。食べ終わった容器は、そのまま置かずにごみ箱へお願いできますか。掃除のときに何度か見つかっているんです」
男性は少し驚いた顔をしました。
「…すみません」
男性はお手洗いへ戻って容器を取り、ごみ箱へ捨ててから店を出ていきました。
それ以降も男性を何度か見かけましたが、お手洗いにプリンの容器が残されることはなくなりました。
後日、オーナーが笑いながら言いました。
「あの電話がなかったら、プリンとトイレの容器なんて、なかなか結びつかなかったね」
「私も、ただの捨て忘れだと思ってました」
「でも、気づいたときに言ってくれたから助かったよ」
何気なく片づけていたものでも、何度も続くなら誰かに共有してみる。アルバイトだった私にとって、それを初めて意識した出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














