「こっちはちゃんと見てきたんだぞ!」値段が違うとレジで怒鳴った男性客。だが、売り場から戻った店員が明らかにした勘違い
値札と違うと怒鳴る男性客
お昼のスーパーで、子どもと手をつないで買い物をしていたときのことです。
レジの近くを通りかかると、突然、男性の大きな声が聞こえてきました。
「ちょっと、これおかしいだろう!」
見ると、年配の男性客が商品を片手に持ち、レジ台に身を乗り出していました。
向かいにいるのは、若い女性の店員さんです。
男性の勢いに押され、困ったような表情を浮かべています。
「棚の値札と、レジの値段が違うじゃないか!」
「申し訳ありません。売り場を確認してまいりますので…」
「確認なんかいらん!どうせわざと高く打ってるんだろう!」
店員さんが説明しようとしても、男性はその言葉を遮ってしまいます。
「客を馬鹿にしてるのか。こっちはちゃんと見てきたんだぞ!」
どうやら、棚で見た値段とレジで表示された金額が違うことに腹を立てているようでした。
しかし、まだ確認もできていないのに、わざと高くしていると決めつけるのは、さすがにひどいと感じました。
男性の後ろには列が伸び、すぐ後ろに並んでいた女性も、買い物かごを持ち直してため息をついています。
隣の子どもが不安そうに私の手を握ったので、私は少し距離を取って様子を見ていました。
売り場から戻った店員さんの説明
そこへ、エプロン姿の男性の店員さんがやって来ました。
女性店員から事情を聞くと、男性客が持っている商品を確認し、売り場へ向かっていきます。
その間も男性客は腕を組み、指先でレジ台をたたいていました。
しばらくして、男性店員が一枚の値札を持って戻ってきました。
「お客様、売り場でご覧になったのは、こちらの値札でしょうか?」
男性客がうなずくと、店員さんは値札を見せながら、落ち着いた声で説明しました。
「こちらは小さいサイズの商品の値札です」
そして、男性客の手元の商品に目を向けます。
「お持ちの商品は大きいサイズです。売り場では隣同士に並んでいるんです」
その瞬間、男性客の表情が変わりました。
「……ああ」
手元の商品と値札を何度も見比べています。どうやら、隣に並んでいた小さいサイズの値段を見ていたようです。
先ほどまでの大きな声は、すっかり消えていました。
男性の後ろに並んでいた女性が、小さくつぶやきました。
「ちゃんと見てきたって、言ってたのにね」
男性客はそれ以上何も言わず、黙って財布を開き、会計を済ませました。そして、うつむき加減のまま足早に店を出ていきました。
店員さんたちは、待っていたお客さんに頭を下げます。
「大変お待たせいたしました」
ようやく列が動き出したとき、子どもが私を見上げました。
「もう、こわくない?」
私は笑ってうなずき、子どもの手を引いてレジに並びました。
値札を見間違えることは、誰にでもあると思います。ただ、確認する前から店員さんを責めるのは違うはずです。
最後まで声を荒らげることなく、事実を丁寧に伝えた男性店員さんの対応が、印象に残った出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














