
憧れのマイホームが地獄に。ペアローンという選択に潜むリスクと現実
都市部を中心にマンション価格の上昇が止まらない中、住宅購入の切り札として注目されているのがペアローンです。これは夫婦がそれぞれ主たる債務者としてローンを契約する仕組みで、借入可能額を増やせるだけでなく、双方で住宅ローン控除を受けられるメリットがあります。しかし、その裏には人生の不測の事態によって生活が根底から崩れる危うさが潜んでいます。
ある40代の共働き夫婦は、中学進学を控えた娘のために7,000万円の新築マンションを購入しました。世帯年収1,200万円であれば無理のない返済計画に思えましたが、入居からわずか数ヶ月で夫の不倫が発覚します。離婚後もローンを支払い続ける約束で母子が住み続けましたが、独立した元夫の事業が暗礁に乗り上げ、返済が滞る事態に。最終的には親の援助で売却時の残債を補填し、なんとか自己破産は免れたといいます。
この事例に対し、SNSやネット上では厳しい声と冷静な指摘が飛び交っています。
『ペアローンは少なくともローン完済までは夫婦円満、お互いの仕事も順調である事が大前提です』
『そもそもが、世帯年収1200万で、7000万のマンションを買うというのが、高過ぎる』
といった、資金計画そのものの甘さを突く意見が目立ちます。特に年収の約6倍近いローンを組むことへのリスク管理のなさに驚きを隠せない層が多いようです。
一方で、本質的な問題は制度ではなく個人の行動にあるという見方もあります。
『これは別にペアローンの問題ではなく、普通のローンでも同じことではないでしょうか』
『ペアローンの問題じゃなくて、夫の浮気の問題じゃん』
との声がある通り、不倫や無計画な独立が引き金となった事実は否めません。しかし、ペアローンの場合は二人の人生が経済的に強く縛られるため、どちらかが失速した瞬間に道連れになるスピードが速いのも事実です。
不動産価格の上昇局面では、どうしても無理をしてでも買いたいという心理が働きがちです。しかし、固定資産税の増税や修繕積立金の高騰、さらには金利上昇のリスクも控えています。ペアローンは便利な道具ですが、それはあくまで平穏な日常が続くことを担保にした薄氷の上の選択といえるでしょう。
人生には想定外の坂が三つあるといわれます。
上り坂、下り坂、そしてまさか。
住宅という一生に一度の買い物において、そのまさかへの備えが欠けていた時、夢のマイホームは一転して重い足枷に変わってしまうのです。














