「こんなものいらない、捨てといて!!」と商品を投げつけた客が再度来店して、取り戻しに来た理由
レジ台に転がった食べかけの袋
レジ台の上に、食べかけの菓子の袋が転がっていました。
私の勤め先は、テレビでもよく取り上げられる輸入食品の販売店。こだわりの輸入菓子が並ぶ売り場で、つい先ほどまで一人の女性客と向き合っていたのです。
客は半分以上食べた菓子を差し出し、表面のパッと見綺麗なマダラ模様を見せて言ってきました。
「裏側よく見たら異物みたいなのがあったの。気付かずに一個食べちゃったんだけど、これ、どうしてくれるの」
輸入菓子に元からある柄のようでしたが、私は売り場の責任者として、商品の状態を確認したうえで丁寧に答えるしかありません。
「あくまで品物に問題があった場合でないと返品はお受けできないんです」
客は声を荒らげ、菓子の袋をレジ台に投げつけて、こう吐き捨てていきました。
「こんなものいらない、捨てといて!!」
すぐに次のお客様が入ってこなかったのが、せめてもの救いでした。
数時間後、戻ってきた客の言い分
店内が落ち着くまで、私は投げ捨てられた袋を片づけずにそのまま預かっておきました。万一またなにか言ってきたときのため、状態をいじらずに残しておいたんです。
夕方、店内が立て込み始めた時間帯でした。入口のドアが勢いよく開き、先ほどの客がもう一度入ってきます。レジ越しに身を乗り出すと、周囲の客にも届く声で怒鳴ってきました。
「やっぱり自分で捨てるからお返しください!!」
あれほどの勢いで投げつけて出ていった人が、わざわざ商品を取り戻しに戻ってくる。私はとっさに言葉を失いました。忙しい時間帯のなか、レジに並んでいたほかのお客様の視線も、ピリッと突き刺さります。
取り置いていた袋を黙って差し出すと、客はそれをひったくり、何も言わずに帰っていきました。残されたのは、いつもより重く感じるレジ前の沈黙と、こちらに向けられた他のお客様のなんとも言えない視線です。
求められれば返すしかありません。
次に同じようなクレームが来たら、また毅然と「返品はできません」と言えるのか。考え込んでしまう一日になりました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














