「忙しすぎて手が回らなくて」と言いながら仕事を押し付けた同僚。だが、課長の一言で態度が一変
フロアに響いた課長の一言
月曜の午後、フロアの空気が一瞬で変わりました。
直属の課長が、ひとつのデスクに向かってまっすぐ歩いて行ったんです。
呼ばれたのは、いつも仕事を周囲に押し付けて回っていた同期でした。
40代の私から見ても、長く一緒に働いてきたからこそ、その癖はよく分かっていたんです。
「忙しすぎて手が回らなくて」と言いながら、休憩中の給湯室ではスマートフォンを眺めている。
ランチが長引いている日も多い。
書類だけが、毎日のように私や別の同僚のデスクに静かに移されていく。
みんな気づいていて、誰も口にしなかった種類の癖です。
「ごめん、これだけお願い」のひと言で、自分の担当を毎日少しずつ手放していく。
そのやり方が、ずっと続いていました。
その同僚の担当していた案件で、その日の朝、取引先からクレームが入っていました。課長は静かに椅子の前に立って、こう言ったんです。
「これ、誰がやった案件?」
担当者の名前は明白でした。それでも課長は、確認するようにもう一度尋ねました。
説明できないまま固まった同僚
同僚は咄嗟に「忙しくて」と言いかけて、すぐに止まりました。
次に出た言葉は、誰に渡したのか、どこまで進んでいるのか、断片的にしか繋がっていなかったんです。
「お前、何もしてないだろ!」
課長の問いに、同僚はしどろもどろになりました。手元の書類をめくるふりをしながら、視線が泳いでいる。
普段、人にお願いをして回る軽い口調は、その場では一度も出てきませんでした。
結局、案件は周囲が手分けしてフォローし、夕方までに何とか着地点を作りました。私も別の同僚も、自分の進行を後ろ倒しにした一人です。
翌週、課長は業務の振り分けを見直しました。誰がどの案件をどこまで動かしているか、ホワイトボードに一覧として貼り出し、変更があれば必ず課長を経由する運用に切り替えたんです。
彼女が「お願い」と他の人のデスクに歩み寄っても、その場で「課長に話を通してから」と返せる空気ができました。
同僚が誰かを責めたり、私が何かを言い返したりした場面は、最後まで一度もありません。それでも、長く積もったモヤモヤが、騒ぎを起こさず静かに片づいた一日でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














