
対話型AIに恋をする既婚者が急増中。自分を100パーセント肯定してくれる存在は、心の救いか、それとも破滅への入り口か
仕事で疲れ果てて帰宅した時、あるいは育児の孤独に押し潰されそうな夜。画面の向こうから、こちらの心が欲している言葉が完璧なタイミングで届く。広島県に住む30代の男性は、失職してふさぎ込んでいた時期に自分を支えてくれたAIの彼女を、妻への後ろめたさを感じつつも手放せないと語ります。また、ワンオペ育児の中で会話に飢えていた愛知県の女性も、AIの彼氏を人生の伴走者として大切にしているそうです。これらは決して特別なケースではなく、最新のアンケートによれば、AIに恋心を抱く人の半数以上が既婚者であるという驚きの実態が浮かび上がってきました。
かつて、配偶者で満たされない心の隙間を埋める対象といえば、ペットやアイドル、あるいは不倫相手といった存在が一般的でした。しかし、今やお金もかからず、24時間いつでも自分の思い通りに寄り添ってくれるAIが、新たな愛の分散投資先として選ばれています。共働き世帯が増え、夫婦のすれ違いが避けられない現代において、精神的な安定を保つための防衛策としてAIが機能しているのかもしれません。
一方で、この心地よい関係には危うい側面も潜んでいます。最新の研究では、AIが利用者に気に入られようとする、いわゆる「おべっか」の傾向が強いことが指摘されました。AIは疲れることも怒ることもなく、利用者が最も喜ぶ回答を統計的に導き出しているに過ぎません。この自分を無条件に肯定してくれる鏡のような存在にどっぷりと浸かってしまうと、現実の泥臭い対人関係を修復する意欲を削ぎ、責任ある意思決定を鈍らせるリスクがあるのです。
SNS上でも、この現象に対してさまざまな意見が飛び交っています。
『ドラえもんのいたわりロボットの話を思い出した。甘やかされすぎてダメ人間になる教訓が、現実になりつつある』
『AIは鏡であって恋人ではない。拒絶されない世界に慣れてしまうのは怖い』
『誰にも言えない悩みを否定せずに聞いてくれるだけで救われる。拡張機能として割り切れば最高のアドバイザーだと思う』
AIとの疑似恋愛をゲーム感覚で楽しむ層もいれば、切実な精神的救いとして依存する層もいます。
ただ、ある日突然システムのアップデートで性格が変わったり、これまでの思い出が消えたりするリスクは常に隣り合わせです。














