「数字なんて感覚に勝てるか」勘と経験で部下の意見を認めない上司。だが、3年分の損失を数値化した瞬間
疲弊する現場と、押し通される強引な決定
現在の職場で、私はデータ分析を軸に業務を回す正社員として働いている。
地道に数字を組み上げて改善案を出すのが私の役割だ。
同じ部署の直属の課長は、根拠のない自信で部下を動かすタイプだった。
会議で私が資料を配るたびに、目も通さず机の端に押しやって吐き捨てる。
「数字なんて感覚に勝てるか」
「細かい数字を出されてもピンとこない」
「現場ってのはノリだよ」と口癖のように繰り返し、私の資料は会議の机上で開かれることもなかった。
「だって昔からこう決まってるんだから、いいだろ」
そんな曖昧な根拠で、課長はあらゆる議論を打ち切る。
若手も中堅も、最後には沈黙するしかなかった。
全社的なプロジェクトの運用方法をめぐり、私たちは正面から意見が対立した。
課長は会議で曖昧な主張を繰り返し、最終的に強引に決定を押し通した。
だが、その方式ではミスが多発し、現場メンバーは目に見えて疲弊していった。
「もう限界です」と若い同僚は私に泣きつき、ベテランの女性社員も「数字で示してもらえないとどうにもならない」とこぼした。
深夜まで残業し、休日にも対応に追われ、辞表をちらつかせる人まで出始めていた。
私自身、夜に資料を作りながら、なぜここまでしなければ動かない組織になっているのかと、何度も天井を見上げた。
(誰かが、止めなければいけない)
静かに、私は腹を決めた。
全社報告会で読み上げた、3年分の数字
私は黙々と準備に取りかかった。過去3年分のミス発生頻度を月別に集計し、それによる損失コストをすべて金額に換算する。
作業フローを視覚的に整理した場合の改善シミュレーションも添えて、誰も逃げられない全社報告会の場で発表した。
「これが現場で起こっている事実です」
淡々と数字を読み上げた瞬間、報告会の空気が一変した。
経営層の視線が課長へ集まり、隣に座っていた部長が小さく息をのんだ。
役員席のひとりが資料を二度三度めくり直しているのが、視界の隅に映る。私はそのまま続けた。
「この損失を放置することが、会社にとっての成長ですか?」
感情論で逃げ場を作ってきた課長は、真っ赤な顔のまま黙り込んだ。
会議室には、数字に裏打ちされた静けさだけが残った。
結果、私の改善案は全面採用となり、現場のミスは激減した。
以来、課長は私に感情論をぶつけてこなくなり、提案には必ず目を通す。会議の場で部下を遮る癖もぴたりとやみ、扱いがすっかり変わったのでした。
振り返れば、声の大きさで物事を決める時代は、もう終わっていたのかもしれません。3年分の数字が、私の代わりに語ってくれた一日でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














