「わかる」素っ気ない彼の返信に本音をぶつけた。後日、実は自分が傷つけていたことに気づいた
何気ない言葉が刺さった日
「それ、結構刺さるんだよね」
彼がそう言ったのは、私が「いつも反応遅いよね」と口にした直後だった。
責めるつもりはまったくなかった。ただの口癖のようなもので、笑いながら言ったと思う。
でも彼は笑わなかった。しばらく黙ったあと、静かにそう言った。
(自分の言葉が、こんなふうに届くとは思っていなかった。)
その日は何事もなく解散したけれど、帰り道ずっと、彼の表情が頭から離れなかった。
すれ違いが続いていたあのころ
交際して一年が過ぎたころから、連絡のタイミングが少しずつずれていくようになっていた。
私が「しんどかった」と送ると、返信は数時間後。
「わかる」の三文字だけが返ってくることもあった。
余裕のある日は気にしなかった。
でも疲れているときは引きずった。布団に入ってから、「どうして気にしてしまうんだろう」とひとりでぐるぐると考えた。
もどかしかったのは、彼が悪意を持っているわけではないと分かっていたことだ。
不親切でも、冷たいわけでもない。ただ「言葉にする習慣」が、お互いの間に育っていなかった。
ある週末、思い切って気持ちを文章にして送った。長くなるのが怖くて、短くまとめた。
「もう一言あるだけで全然違うんだよ。小さいことだけど、ちゃんと嬉しくなるから。」
返信は短かった。「そっか、気づいてなかった。ありがとう、言ってくれて。」
それだけで、ずっと胸に引っかかっていたものが軽くなった。
言葉の重さは使った側には見えない
その後、彼は少しずつ変わっていった。
「ご飯おいしかった、ありがとう」「会えてよかった」
以前はなかった言葉が出てくるようになった。
関係が柔らかくなってきたと感じていたそのころに、あの言葉が来た。
「あなたの一言が刺さってる」
彼がそう言ったのは、私が「いつも反応遅いよね」と口にした直後だった。
責めるつもりはなかった。ただの口癖のようなもの。
でも彼は笑わなかった。少し間を置いて、静かにそう言った。
(自分の言葉が、こんなふうに届いていたなんて。)
言葉は使った側が軽く思っていても、受け取った側にとっての重さは全然違う。
私はそのことを、頭では知っていた。でも実際に彼の口から聞くまで、自分がやっていたとは気づいていなかった。
謝った。彼は「大丈夫」と言ってくれた。今は以前よりずっと話せるようになっている。
それでも、あのときの沈黙はまだ胸のどこかにある。関係を良くしようとしていたつもりで、先に誰かを傷つけていた。そのモヤモヤだけは、きれいに片づかないままだ。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














