「これ私の案だから」アイデアをパクった同僚→課長の一言で別フロアに飛ばされた
気づいたときには提出されていた
雑談の中で話したことが、翌月の企画会議に先輩の名前で提出されていた。
販促イベントのアイデアだった。チームのランチのときに私が思いついたことを話しただけで、正式に提案したわけでも書面に残したわけでもなかった。
だから証拠と呼べるものが何もない。そのまま飲み込むしかないのかと、諦める気持ちで会議の結果を待っていた。
(これ私の案だから…)
そのアイデアが採用された。先輩は明るい顔で同僚に報告していた。
私は遠くからその様子を見ていた。腹立たしいというより、こんなことが通ってしまうのかという虚しさが大きかった。
実はこれが初めてではなかった。半年ほど前にも、会議の準備中に私が提案した改善案が、後から先輩の企画書に同じかたちで盛り込まれていた。そのときも結局、何も言えずに終わっていた。
課長が動いた瞬間
翌朝、先輩が同僚と話している輪の端に、私は自然に加わった。
何か言おうと決めていたわけではなかったが、ほとんど無意識に口が動いた。
採用されたことへの祝福を言いながら、「この間のランチで私が話していた案だけど」と一言添えた。
先輩の顔がこわばった。その瞬間、近くで聞いていた直属の課長が口を開いた。
「え、その案は彼女のアイデアでは?」
穏やかな声だったが、問いかけの意味は明確だった。先輩はうまく答えられなかった。課長はその後、私と先輩それぞれに個別で話を聞いた。
私は雑談のときの内容と日付を伝え、一緒に食事をしていた別の同僚も経緯を知っていた。証言が揃うと、先輩の言葉はどんどん細くなっていった。
静かに空いた先輩の席
2週間後、先輩は別フロアの部署に異動になった。
業務の都合という説明だったが、それ以上の説明は必要なかった。
先輩の席が空いてから、仕事中に感じていた緊張がほどけた。
アイデアを話すたびに身構えていたことに、いなくなって初めて気づいた。会議でも、また自分の意見を自然に出せるようになっていた。
直属の課長がその場で動いてくれなければ、あのまま黙って終わっていた。
課長の一言が空気を変え、長く続いたモヤモヤに決着をつけてくれた。あの瞬間、自分の仕事が自分のものとして認められた気がした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














