「何か隠してるよね、スマホ見せて」帰宅が遅れた私を詰めてくる彼。だが、繰り返される質問に別れを決意
笑顔なのに、目だけが違った
職場の歓送迎会を終えて帰宅すると、同棲相手がソファで待っていた。
連絡はメッセージアプリで送ってあった。既読もついていた。
「帰るの遅くない?」
笑いながら聞いてくる。声はやわらかい。でも彼女はすぐに気づいた。目が、全然笑っていなかった。言葉の温度と目の温度が、まるで別の人のようにちぐはぐだった。
「送別会があったから」と答えると「そっか」と短く返ってきた。相手はそのままスマートフォンを手に取り、黙った。
(なぜか怖い)
その直感が、数分後に的中した。
「何か隠してるよね、スマホ見せて」
笑顔のまま、静かにそう言った。
「当たり前」の顔をした要求
スマートフォンの中身を確認されたのは初めてではなかった。
以前は「疑ってるわけじゃないよ」という言葉と一緒に要求されていたが、今回は理由すらなかった。
同棲相手のスマホを見るのは当然のことだ、とでも言うような口ぶりだった。
「嫌なんだけど」と答えると、「ふーん」と言って相手は黙った。
その夜は何も起きなかった。怒鳴られたわけでも、泣かれたわけでもない。
でも、じわりと漂う沈黙の重さが違った。
「答えを間違えた」と相手に判定されたような、見えないプレッシャーが部屋に広がった。
部屋の中の温度が、一段下がったような気がした。
直感に従って、静かに動き始めた
翌朝、相手が仕事に出た後、彼女は自分のクローゼットをひそかに確認した。
普段着、仕事着、それから絶対に手放せないもの。
必要なものを頭の中でリストアップした。
「今日はどこで何をしていたの」と聞かれれば答えてきた。
遅くなるときはメッセージアプリで伝えてきた。それでもなお「見せて」が出てくる。要求の理由は一度も説明されなかった。
帰宅のたびに確認される。
笑顔で要求される。理由も言わずに当然のように迫られる。
それが続けば、どこに向かうかは見えていた。
怒鳴られたわけではない。泣かれたわけでもない。でも笑顔の奥の冷えた目が、本音を語っていた気がした。
あの目を、もう一度正面から受け取る前に動き出す。
今がその時だと思った。気づかれないように。静かに、でも確実に。自分が自分のままでいられる場所を、もう一度取り戻すために私は家を出た。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














