
かつてない高騰を背景に加速した消費者のコメ離れ。在庫を抱え苦渋の決断を下す現場と、代替食品へのシフトを決めた家計の切実な声
つい数ヶ月前まで、スーパーの棚から姿を消し、ようやく見つけたと思えば一袋5000円近い値札に驚かされたコメの価格。それがここへ来て、一気に様変わりしています。大阪市内の小売店では、ピーク時に比べて1000円以上も値を下げる商品が続出。3000円台が主役の座を取り戻しつつあります。
しかし、安くなったからといって、かつての活気が戻っているわけではありません。小売店の倉庫には、昨年の品薄を懸念して多めに確保した在庫がうず高く積まれています。8月に新米が登場すれば、これらはすべて古米扱い。価値が暴落する前に売り切りたい店側は、利益を削ってでも値下げに踏み切らざるを得ない状況です。
ネット上の反応を覗いてみると、冷ややかな視線が目立ちます。
『その値段で欲しければ買う、欲しくないなら買わない。ただそれだけのこと』
『高騰前に比べればまだだいぶ割高な印象であり、5キロ3000円位を切って初めて通常に戻ったって感じになる』
人々の財布の紐は、想像以上に固くなってしまいました。一度離れた心は、わずかばかりの値下げでは動かないようです。さらに深刻なのは、高いコメを避けるために選んだ代替品が、そのまま生活に定着してしまったことでしょう。
『この2年程の影響で、朝食はほぼパンに切り替わりました。夕飯は麺も増えました。子ども達にパン等を頻繁に食べる習慣を付けてしまったことを、政府は甘く見ない方が良いと思います』
『5キロ4500円でも主食なんだから買わないわけにはいかぬだろうというJAや業者の目論見は全く持って甘すぎた。パンやパスタでも全然大丈夫だわといった、主食の代替手段に気づいてしまった』
かつては当たり前だった、ほかほかの白米が並ぶ食卓。それが今や、家計を守るための選択肢の一つに格下げされてしまったかのようです。一方で、生産現場の農家も悲鳴を上げています。燃料代や肥料の高騰でコストは膨らむばかり。新米が安く買い叩かれれば、離農に拍車がかかる恐れもあります。
『農協と農家、農水省が結託して価格維持に走ったことを国民は皆見ていたのです。消費者としてこれでご飯が美味しいわけはありません』
こうした厳しい意見からは、単なる需給のバランスだけでなく、流通への不信感さえ透けて見えます。
一度壊れてしまった食のサイクル。
安売りで在庫を捌くだけでは解決しない、根深い問題がそこには横たわっています。














