
3兆5000億円の公共インフラに巣食う旧弊と、岐路に立つ「地方発展」の虚実
かつて日本を高度経済成長へと導いた「新幹線をつなげば街が繁栄する」という青写真が、いま、厳しい現実に晒されています。
地方創生の切り札として期待されてきた北海道新幹線の札幌延伸ですが、その足元で巨大な歪みが露呈しました。
公正取引委員会が、軌道敷設工事をめぐる入札談合の疑いがあるとして、JR北海道の完全子会社を含む9社に立ち入り検査を行ったのです。
3兆5000億円にまでのぼる巨額の総事業費、そして当初の予定から8年以上も遅れるという見通しの甘さ。
そこに降って湧いた「談合」という昭和の悪弊は、巨額の税金が投入される一大プロジェクトの不透明性を改めて浮き彫りにしました。
この事態に対し、地元の沿線自治体からは深刻な懸念と怒りが噴出しています。
特に、延伸区間の事業費が最大で1兆2000億円も増加したことに対して、北斗市の池田達雄市長は「地元負担も発生しており、大変残念」と、コストの正当性に強烈な疑念を呈しました。
さらに冷酷なのは、財務省が4月に示した「基本的に中止」という極めて厳しい採算性評価の存在です。
これほどの赤字リスクを抱え、さらに不正の温床と化している現実に対して、税金を支払う側である市民や、純粋に開業を期待していた人々の間では、あきらめと怒りが交錯しています。
SNS上では、重い不信感が広がっています。
『総事業費3兆5000億円、しかも採算性は「中止」レベル。これに加えて談合となると、もはや「税金の無遣い」のレベルを超えている』
『インフラ系の談合問題は影響範囲が大きいだけに重い話だな…信頼回復までのプロセスがかなり長くなりそう』
『北海道新幹線の延伸を楽しみにしている人も多いだけに、談合疑惑は本当に残念ですね…。まずは事実関係をしっかり解明し、信頼回復につなげてほしいです』
巨額のコスト増加と人口減少という、抗えない日本の構造的課題のなかで、さらにこうした不正が横行すれば、公共事業そのものの存在意義が揺らぎかねません。
資材高騰や人手不足といった現実的なコスト問題に対処するだけでも、自治体や国民の首を絞めることになります。
にもかかわらず、談合によって人為的に不当な価格が維持されていたとすれば、そのツケはすべて将来の世代と善良な納税者に回されることになります。
JR北海道側は「札幌延伸は最重要課題」と必要性を強調し続けますが、その前提となる「信頼」は完全に瓦解していると言わざるを得ません。














