「散歩してる時に取ってきたの」他人の庭から柿をとってきた義母。だが、5歳の子供の正論に言葉が詰まった
よその庭に手を伸ばす義母
義母は、孫と散歩に出かけるのが何よりの楽しみでした。ただ、その散歩には困った癖がついて回ります。よその家の庭に実った物を、平気でもいでくるのです。
その日も、義母は5歳の息子を連れて近所を歩いていました。とある家の塀からのぞいた柿の木に、ためらいなく手を伸ばしたそうです。
帰ってきた義母は、色づいた柿を得意げに差し出しました。
「ほら、おいしそうでしょう。孫に食べさせようと思って」
どこの柿かと尋ねると、義母はけろりとした顔で「散歩してる時に取ってきたの」と答えます。私は血の気が引きました。
「お義母さん、それ、よそのお宅の柿ですよね。勝手にもいだら泥棒になってしまいます」
ところが、そこへ割って入ったのは夫でした。母親をかばうように、私に向かって声を荒らげたのです。
「盗ってない、貰っただけだ」
貰ったわけがありません。誰にも断らず、勝手にもいできたのですから。それでも夫は、母親のすることは何ひとつ間違っていないと言い張りました。
柿だけではありません。よその畑の野菜も、道端のプランターの花も、義母は孫の目の前で平気で持ち帰りました。そのたびに私は、子どもへの悪い影響が心配でなりませんでした。
5歳児の正論に絶句した夫
夫が義母をかばう限り、この人たちは変わらない。それでも私は、息子にだけは本当のことを伝えようと決めました。
「よそのお家の物を、断らずに持ってくるのは泥棒だよ。ばあばのことでも、それはだめなの」
人の物を、断りもなく持ってくることはいけない。その当たり前を、私は言葉を選びながら、何度も息子に伝えました。
息子は、まっすぐな目でうなずきました。
後日、家族がそろった食卓で、義母がまた柿を並べながら機嫌よく言いました。
「今日のは特に立派でしょう。ご近所のよ」
夫が「うまそうだな」と手を伸ばした瞬間、息子がぽつりと言いました。
「それ、盗ったんでしょ。泥棒はだめだよ」
夫の手が、ぴたりと止まりました。
「だ、誰がそんなことを教えたんだ」
「ぼく知ってるもん。人の物を勝手に取っちゃだめなの」
幼い息子にまっすぐ正論を返され、夫は言葉に詰まりました。いつもの威勢はどこへやら、口をぱくぱくさせるだけで、何も言い返せません。隣で義母も、決まりが悪そうに柿を皿へ戻しました。
あれだけ「普通だ」と胸を張っていた夫が、5歳の子ども相手に絶句していました。それきり夫は、母親の「おすそ分け」を自慢することをやめたのです。義母もまた、孫の前ではよその庭に手を伸ばさなくなりました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














