tend Editorial Team

2026.07.31(Fri)

「嫌なこと言われた」幼稚園生の時の呼ばれた親戚の結婚式。だが、いとこの服装に感じた本音

「嫌なこと言われた」幼稚園生の時の呼ばれた親戚の結婚式。だが、いとこの服装に感じた本音

きちんと教わったマナー

幼稚園に通っていた頃の話です。親戚の結婚式に呼ばれ、私は母と一緒に、当日いったい何を着ていくかを、あれこれ相談していました。

初めて出る大人の晴れの席に、私は少しだけ緊張していたのを、今でも覚えています。

そのとき母から、大切なことを教わりました。

真っ白なドレスは花嫁さんだけに許された色で、招かれた側の人間が着てはいけないのだと。子ども心にも、それは守るべき約束なのだと感じたのです。

私は「わかった」と、素直にうなずきました。

母が選んでくれた黒いワンピースに袖を通し、お行儀よくしていようと、幼いなりにきちんと心へ決めていました。

天使とほめられて

式がはじまると、会場は華やかな空気に包まれていました。

そんななか、私はひとりのいとこの姿に、思わず釘づけになってしまいました。

そのいとこは、まだ5歳くらいの女の子でした。身にまとっていたのは、レースがふんだんにあしらわれた、目のさめるような真っ白いドレスだったのです。

まわりの大人たちは、その子を見て「天使みたい」と、うっとりした様子でほめそやしました。

だれひとりとして、その白い色をとがめる人は、いなかったのです。

きちんと黒を選んできた私は、なんだか自分だけが場違いのように思えて、そっと下を向いてしまいました。

せっかくのお祝いの席なのに、私の心は、どんどん沈んでいくばかりでした。

落ち込んだ本音

おまけに、そのいとこは私を見つけると、無邪気な声で、こんなふうに言ってきたのです。

「まっくろだね、あくまさんみたい」

悪気などないのは、幼い私にもよく分かりました。それでも、ルールを守った自分が悪魔で、何も知らずに白を着た子が天使。その落差が、どうにも呑み込めませんでした。

ずいぶんあとになって、私はようやく母に、その日のことをぽつりと打ち明けました。

「嫌なこと言われた」

母はそっと抱きしめて、「あなたは間違っていなかったのよ」と言ってくれました。うれしかったはずなのに、胸のもやもやは、なかなか晴れてくれなかったのを覚えています。

きっと正しさというものは、いつも分かりやすくほめてもらえるとは、かぎらないのでしょう。あの日おぼえた小さな寂しさは、今もそっと、私の心の隅に居座り続けています。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.09.16(Wed)

「もう、うるさいねえ。本当にダメな子ね!」3歳の息子に向けられた義母のきつい一言。黙っていられなかった私が伝えた気持ち
tend Editorial Team

NEW 2026.09.16(Wed)

「正直、かなりショックだった」仲良しだと思っていた母親仲間。誤送信された1枚に、私の家庭の話が並んでいた
tend Editorial Team

NEW 2026.09.16(Wed)

「昼間は仕事でしょう?」働いているから無理と決めつけられた私。だが、他の住民の言葉に救われた瞬間
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.06.24(Wed)

沖縄全戦没者追悼式で高市総理に浴びせられた「9条を守れ」のヤジに批判。現地の複雑な感情や安全保障を巡り広がる議論
tend Editorial Team

2026.07.22(Wed)

「土用の丑の日はうなぎを食べる日」は思い込み!?季節ごとに『い・た・ひ』のつく食べ物を食べる習わしがあった
tend Editorial Team

2026.05.26(Tue)

「本当に頼りになるな」英語堪能な同僚。だが、客と揉めた瞬間の姿に思わず絶句
tend Editorial Team