「主役の座、どう考えたって不公平でしょう」娘の主役に不公平と騒いだママ友。だが、先生の称賛が広まり顔面蒼白に
娘が劇の主役に選ばれて
娘の幼稚園で、生活発表会の劇をすることになりました。担任の先生が一人ひとりの様子を見て、配役を決めていきます。
「お姉さんらしくて頼りになるから、主役をお願いね」
先生からそう任されたのは、うちの娘でした。
自分の台詞だけでなく、みんなの立ち位置まで覚えて、お友達に教えてあげているようでした。
家でも毎晩練習する姿に、私まで胸が弾みました。
ところが、その配役を知って面白くない人がいました。日ごろから習い事の数を自慢していたママ友です。
「うちは英才教育に月10万もかけてるのよ」
会うたびにそう話しては、我が子の優秀さを語る人でした。
習い事の数でも成績でも、自分の子が一番でないと気が済まない様子です。
だから、主役がうちの娘だと知って、納得がいかなかったのでしょう。
先生の称賛が広まり顔面蒼白
お迎えの時間、そのママ友が大勢の前で声を荒げました。
「主役の座、どう考えたって不公平でしょう」
あからさまな剣幕に、周りのママたちは顔を見合わせて黙り込みました。
私はその場では、あえて反論しませんでした。娘の頑張りは、言い争って守るものではないと思ったからです。
後日、練習を見ていた先生が、ほかのママたちにこう話していたそうです。
「あの子、お友達に台詞を教えてあげて、みんなをまとめてくれるんですよ」
その称賛は、あっという間にママたちの間で広まりました。
先生が誰かに話し、その人がまた別の人に伝え、輪のように広がっていったのです。お迎えのたび、いろんな人が娘を褒めてくれるようになりました。
「先生が感心してたよ。すごいね」
「うちの子、あなたの娘さんに優しくしてもらったって」
温かい言葉に囲まれて、私はただ頭を下げるばかりでした。
口をはさむ隙もないほど、周りは娘の話で持ちきりだったのです。その輪の隅で、あのママ友は顔面蒼白になって立ち尽くしていました。
月10万かけた英才教育も、5つの習い事も、もう誰も話題にしていません。
子どもたちをまとめる娘の姿だけが、みんなの口にのぼっていたのです。
「おはようございます」
翌朝、私から挨拶しても、彼女は青ざめた顔で小さく会釈するだけでした。
気まずそうに目を伏せ、私を避けるように足早に立ち去っていきます。あれほど響いていた自慢の声は、もう聞こえてきません。
人と比べて騒ぐより、目の前の子を信じて見守る。娘が教えてくれた、大切なことでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














