「住宅ローンは5000万でも余裕なの」年収も昇進も自慢し続けたママ友。だが、周囲がそっと離れ独りになった末路
昇進とローンの自慢
そのママ友の口ぐせは、いつも数字でした。
夫の年収、ボーナスの額、そして新しく建てた家のローンです。
妊娠中に知り合ったころから、あの人は自分の暮らしぶりを語るのが好きでした。
子どもが生まれ、家を建てたと聞いてからは、その勢いがさらに増したのです。
新居のお披露目に呼ばれた日、あの人は玄関を指してこう言いました。
「住宅ローンは5000万でも余裕なの」
夫の稼ぎがいいから、と言いたげでした。
「この春の昇給でね、年収も900万を超えたのよ。まだ入社して数年なのに」
そう続けながら、私の服や持ち物にちらりと目をやります。悪気のないふりをした、品定めのまなざしでした。
「値の張るものって、やっぱり違うのよね」
手にしたカップを見せびらかすように掲げます。
そのうえで、あの人はこちらへ矛先を向けてきました。
「ご主人のお仕事は、どちらだったかしら」
問い返す声には、値踏みする響きがありました。自分の家の年収やローンを、こんなふうに人へ並べ立てる。
ふつうはしないことです。やっぱりマウントなのだと、胸の奥が重くなりました。
周囲がそっと離れていく
金額の自慢は、会うたびに膨らんでいきました。
はじめのうち、周りのママたちは笑って聞いていました。
けれど昇進だ、ローンだ、と数字が続くうちに、みんなの相槌が目に見えて減っていったのです。
ある集まりの帰り道、一緒に歩いていたママがぽつりと漏らしました。
「あの人の話を聞いてると、なんだか気疲れしちゃうね」
隣にいた別のママも、小さくうなずいています。
「うちは張り合う気もないのに、勝手に比べられてる感じがして」
感じていたのは、私だけではなかったのです。私は無理に話を合わせるのをやめました。
「うちはうちのペースでいきますね」
そう告げて、それ以上は金額の話に乗らないようにしたのです。
すると、離れていったのは私だけではありませんでした。誘いをやんわり断るママが、少しずつ増えていったのです。
いつも自慢の中心にいたあの人の周りから、気づけば人が引いていきました。
焦ったあの人は、前より声を張って夫の肩書きを口にします。
「今度、新しい家でホームパーティーするから来てよ」
けれど、集まる人はいませんでした。誰もが用事を理由に、そっと距離を取ったのです。公園のベンチに独りで座るあの人を、私は何度か見かけました。
人を見下していたはずの人が、いつの間にか輪の外にいた。それが、自慢を止められなかったママ友の末路でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














