「その帽子、私も同じのを買ったの」私の持ち物を何でも真似したがるママ友。私が静かに距離を置いた理由
気づけばおそろい
公園で子どもを遊ばせながら、よく話すママ友がいました。
話しやすくて、私は買い物や持ち物のことも、つい口にしていました。
ベンチに並んで、他愛のない話をする時間が、私は好きだったのです。
その日、私は新しい帽子をかぶっていました。何軒も見て回って、やっと見つけたお気に入りの一つでした。
「その帽子、かわいいね。どこで買ったの?」
「駅前のお店だよ。夏でも涼しくて、気に入ってるの」
軽い会話のつもりでした。
ところが数日後、現れた彼女は、まったく同じ帽子をかぶっていたのです。
色も、形も、私のものとそっくりでした。
「その帽子、私も同じのを買ったの」
「似合うでしょ?教えてくれてありがとう」
何でも欲しがる
それからは、次々と同じでした。
私が使い始めた水筒、子どもに買った靴、新しく始めた習い事まで。
少し便利だと話したものは、たいてい翌週にはそろっているのです。
「それ、私も欲しかったの。どこの?」
会うたびに、私の持ち物を尋ねてきます。
悪気は、まるでありません。純粋に「いいな」と思っているだけなのです。だからこそ、たちが悪いとも言えました。
(好きで選んだものが、どんどん、同じになっていく)
自分だけのものだと思っていたのに、気づけば、そうではなくなっている。それを責めるのは、なんだか心が狭いような気もして、私はずっと黙っていました。
静かに引いた線
でも、あるとき思ったのです。
このまま話し続ければ、私の選ぶものは全部、真似されると。
だから、決めました。
新しく買ったものを、自分からは話さない。
ただ、それだけです。
「最近、何かいいもの見つけた?」
「どうかな、あんまり買ってないなあ」
そう受け流すようになってから、振り回される感覚が、少しずつ消えていきました。何を持っているかで気を張ることも、なくなったのです。
そんなある日、同じことで悩んでいた別のママが、そっと打ち明けてくれました。
「私も、新しい話はしないようにしてるの。そのほうが、楽だよね」
自分の選んだものが、ちゃんと自分のものに戻ってくる。誰かに合わせるのでも、張り合うのでもなく、ただ好きなものを好きだと思える。
その静かな手応えが、何よりの答えでした。
彼女とは今も、笑って世間話をします。嫌いになったわけでも、避けているわけでもありません。ただ、私の買い物の話だけは、もうしません。それが、私の選んだ距離でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














