「あなたの料理、味が薄いのよね」と私の行動にケチをつける義母。だが、法事の席での義父が放った一喝で状況が一変
削られていく自信
結婚して、もう十年になる。義母は誰に対しても優しく、近所でも評判のいい人だった。ただ、私に向ける言葉だけは、少しだけ刺があった。
台所に立てば、後ろから声が飛んでくる。
「あなたの料理、味が薄いのよね」
子どもを抱けば、抱き方が悪いと言われる。どれも悪気のない風を装っているから、こちらも怒るに怒れない。
けれど、その一言一言が、私の自信を少しずつ削っていった。
「お義母さんの癖だから、気にすることないよ」
夫はいつもそう言って、まともに取り合ってくれなかった。誰にも分かってもらえないまま、私はただ我慢を重ねていた。
親戚の前で
その日は、義実家で法事があった。
親戚が一堂に会し、座敷で故人を偲んでいた、穏やかな時間。
ふいに、義母が私のほうを向いて笑った。
「この子、家計管理が下手でうちの息子が苦労してるの」
一瞬で、頭が真っ白になった。家計は夫と二人で管理してきたし、苦労をかけた覚えなどない。それを親戚全員の前で、事実無根のまま笑いものにされたのだ。
恥ずかしさと悔しさで、手が小刻みに震える。みんなの視線が私に集まる。何か言わなくてはと思っても、声が出ない。
うつむいた私の耳に、思いがけず低い声が届いた。普段はめったに語気を強めない、義父の声だった。
凍りついた笑み
「そんなことを言うもんじゃない」
たった一言で、座敷の空気が引き締まった。義母の顔から、笑みがすっと消える。
「家のことは、二人でちゃんとうまくやってるだろう」
義母は反論しかけて、言葉を飲み込んだ。気まずそうに視線を泳がせ、それきり黙り込んでしまった。
あれだけ人の粗を探していた人が、ばつの悪そうな顔で小さくなっている。
親戚たちも察したように、すぐ別の話を始めた。場の流れは、もう完全に私の側に傾いていた。帰り道、運転席の夫が珍しく口を開いた。
「今日のは、さすがにやりすぎだ。ちゃんと母さんに言うよ」
ずっと他人事だった夫が、ようやく私の味方になってくれた瞬間だった。数日後、義母から短い電話が入った。
「言い過ぎたわね、ごめんなさい」
謝罪はそれだけ。それでも、あの法事の日を境に、義母の干渉はぴたりとやんだ。今では何か言いかけては、ためらうように口を閉じる。立場は、静かに入れ替わっていた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














