「今月も3万円、家に入れなさい」娘にお金を求めた母。だが、友人と食事をした時に聞いた事実に絶句
給料日にかかってくる電話
社会人になってからも、給料日になると決まって母から電話がありました。用件は、いつも同じです。
「今月も3万円、家に入れなさい」
受話器の向こうの声は、催促というより確認に近い響きでした。
払って当然のものを、忘れていないか確かめる口ぶりです。
実家を出て一人暮らしを始めてからも、その電話は続きました。
家賃と生活費でぎりぎりの月でも、3万円という額は、いつのまにか毎月の決まりごとになっていたのです。
「お母さん、あんたのためにどれだけやってきたと思ってるの」
渋ると、必ずこの言葉が返ってきます。母は娘からお金を取り上げているという感覚がまるでなく、家族なら当然のことだと信じきっていました。
当たり前が、当たり前ではなかった
その要求が始まったのは、私が10代でアルバイトを始めた頃からです。
初めての給料を、封筒ごと母に渡したのを覚えています。
娘の稼ぎは家に入れるもの。
私はずっと、どこの家でもそうしているのだと思い込んでいました。
考えが変わったのは、友人と食事をしたときです。
実家に毎月3万円を入れていると話すと、友人が驚いた顔をしました。
「え、それって、ずっとなの?」
「うん、高校でアルバイトを始めた頃から」
「うちは家に一円も入れてないよ。むしろ、たまに親からお小遣いをもらってるくらい」
友人はそう言って、逆にこちらを心配そうな顔で見ました。
よその家では、していない。そのひと言で、私の中の当たり前が音を立てて崩れました。
静かに距離を置いた日
次の給料日、いつものように電話が鳴りました。私は少し迷ってから電話に出て、静かに切り出しました。
「今月から、家に入れるのはやめようと思う」
「どうしたの、急に。お母さんが困るの、分かるでしょう」
母は最初、何を言われたのか分からないようでした。
それから、いつもの言葉を並べ始めます。けれど私は、もう財布を開けませんでした。
怒鳴り返したわけではありません。母を悪者にしたかったわけでもありません。
ただ、自分の稼いだお金を自分のものに戻す。それだけを、静かに決めただけです。
その日から、母とは少しずつ連絡が減っていきました。給料日に鳴っていた電話も、もう鳴りません。手元に残った3万円で、私は自分のための本を一冊買いました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














