「式が無理なら、いっそ離婚しろ」援助もせず式を強要した義祖母に、夫が二人の考えを毅然と通した末路
挙げない選択をしたはずが
結婚を控えたころ、私たち夫婦は式を挙げない道を選んでいました。金銭的な余裕がなかったこと、そして私に式へのこだわりがなかったことが理由です。
とはいえ、何も告げずに進めるのは気が引けます。私は角が立たないよう、その意向を義理の家族へやんわりと伝えました。
けれど義母と義祖母は、どうしても納得してくれませんでした。顔を合わせるたび、決まって式の話が持ち出されます。
「親戚に、いったいどう説明するつもりなの」
義祖母がそう責めれば、義母は義母で、別の角度から迫ってきます。
「せめて写真だけでも、きちんと残しなさいな」
義母はそう言い、義祖母はご丁寧に、式場のパンフレットを何冊も抱えて持ってくるのでした。
ありがたい半面、私たちの懐事情は何ひとつ変わりません。思い切って、費用を出すのが難しいのだと正直に話しました。
「そのくらいのお金、二人でどうにかしなさい」
義祖母の答えは、にべもないものでした。援助という言葉は、ついぞ一度も聞かれませんでした。
「二人でよく話し合って、決めたことなんです」
私がそう返しても、聞き流されるばかりです。お金は出さない、けれど式は必ず挙げろ。その矛盾を前に、私はただ黙り込むしかありませんでした。
投げつけられた一言
話が折り合わないまま、季節がいくつか過ぎたころでした。義祖父が病に倒れ、入院したという知らせが届きます。
見舞いの帰り道、義祖母が私を呼び止めました。弱った義祖父のことを話したあと、声を一段低くして言い放ちます。
「式が無理なら、いっそ離婚しろ」
私は耳を疑い、言葉を失いました。式を挙げるかどうかと、夫婦を続けるかどうか。その二つが、なぜ地続きになるのでしょう。
「おじいちゃんが生きているうちに、晴れ姿を見せてやりたいの」
義祖母がそう畳みかけます。私が言葉に詰まっていると、黙っていた夫が静かに前へ進み出ました。
「おばあちゃん、離婚なんて絶対にありえません」
夫の声は、これ以上ないほど落ち着いていました。義祖母が、驚いたように口をつぐみます。
「式を挙げるかどうかは、二人で話し合って決めたことです。お金も出さずに離婚まで口にするのは違います。もう、この件に口を挟まないでください」
声を荒らげるでもなく、けれど一歩も退かない言い方でした。義祖母は夫を見つめ、やがて小さく息を吐きます。
「……そうね。言い過ぎたわ」
そうこぼすと、義祖母は二度と離婚を口にしませんでした。夫が私の肩を、そっと引き寄せます。
あの日、隣で二人の答えを守り抜いてくれた夫の言葉は、今も確かな支えとして胸に残っています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














