「本当にやめてくれよ、また散らかってる」荒れていたゴミ置き場。だが、大家が続けた地道な対策
朝になると、また袋が残っている
朝、ゴミを出しに行くと、共同の置き場にはまた袋が残っていました。回収日ではないゴミや、分別がきちんとされていない袋です。
私の住むアパートでは、ゴミを出す曜日も分別の方法も決められていました。それでも、いつからかルールに合わない袋が置かれるようになったのです。
回収されなかった袋は、そのまま次の回収日まで残ります。夏場はにおいも気になり、カラスに袋を破られて中身が散らばっている朝もありました。
「まただね…」
ゴミを出しに来た住民と顔を合わせるたび、そんな言葉が漏れます。
ただ、誰が置いているのかは分かりません。
住民同士で疑い合うようなこともしたくなく、直接注意できる相手もいませんでした。
管理会社からは何度か「ゴミ出しのルールを守ってください」という貼り紙が出されました。それでも、しばらくすると同じような袋が置かれます。
私も気にはなっていましたが、自分にできるのは、決められた日にきちんと出すことくらいでした。
大家が始めた地道な対策
そんなある朝、ゴミ置き場へ行くと、大家さんが散らかった袋の前に立っていました。
破られた袋の中身を拾いながら、困ったように小さくつぶやきます。
「本当にやめてくれよ、また散らかってる」
大家さんはその場を掃除し、ずれていたカラスよけのネットを張り直していました。
数日後には、ゴミ置き場の案内も以前より見やすくなっていました。
回収する曜日や分別方法が大きく書かれ、どこを確認すればいいのか分かりやすくなっています。
ある朝、私がゴミを出していると、大家さんもそこにいました。
「みんなが使う場所だから、きれいに使ってもらえると助かるんだけどね」
誰かを犯人扱いするような言い方ではありませんでした。ただ、顔を合わせた住民に同じように声をかけている姿を、その後も何度か見かけました。
すぐにすべてが変わったわけではありません。それでも、しばらくすると回収日ではない日に置かれる袋は少しずつ減っていきました。
ネットがきちんとかけられるようになると、カラスに荒らされることも以前ほどありません。
「最近、きれいになったね」
ある朝、住民の一人がそう言いました。私も同じことを感じていました。
強く誰かを責めるのではなく、掃除をして、分かりやすく伝えて、根気よく声をかける。大家さんが続けた地道な対応によって、憂うつだった朝のゴミ置き場は、少しずつ落ち着きを取り戻していったのでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














