「なんか楽しそうだったし」普段は無口な義父。だが、妻の一言で気づいた、無口な義父との距離の変化
荷物を置く前から、義父の話が始まった
その日、妻の実家に着いてすぐのことです。玄関を上がり、持ってきた荷物を置こうとしていると、義父が僕のほうを向きました。
「そういえば昨日な、裏の畑で枝豆がけっこう採れたんだ」
突然だったので、僕は少し戸惑いながら「へえ、そうなんですね」と返しました。
すると義父は、そこで話を終えませんでした。
「今年は里芋がよく育ってな、掘っても掘っても出てくる」
そこから、畑の話、近所で見かけた人の話、少し前に買い物へ行ったときの話まで、次々と続きます。
「そんなに採れるんですか」
「そうなんだよ。食べきれないくらいでな」
普段ほとんど話さない義父が、楽しそうに話している。それだけでも僕には意外でした。
しかも隣には妻もいるのに、義父はなぜか僕のほうを見て話します。
年に一度会うかどうかという関係です。これまでは顔を合わせても、「暑いですね」「そうだな」くらいで会話が終わり、あとは妻が間に入ってくれることがほとんどでした。
それだけに、その日の義父の様子には少し驚きました。
帰りの車で、妻に聞いてみた
帰り道になっても、僕はまだ気になっていました。
「今日のお父さん、ずいぶん話してたね。いつもあんな感じだっけ?」
僕が聞くと、助手席の妻が少し笑いました。
「ううん。でも、あなたには話しやすいんじゃない?」
「僕に?」
「うん。なんか楽しそうだったし」
妻に言われて、僕もさっきの義父の顔を思い出しました。
義父が実際にどう思っているのかは分かりません。それでも、以前よりは僕との距離を近く感じてくれているのかもしれない。そう思うと、急にうれしくなりました。
僕のほうはずっと、「妻の父親だから、何を話せばいいのか分からない」と構えていました。もしかすると、必要以上に遠慮していたのは僕だったのかもしれません。
枝豆も里芋も、普段の僕なら自分から話題にすることはないでしょう。
それでも次に会ったときには、「今年の里芋、どうでした?」くらいは聞いてみようと思っています。
そこからまた義父の話が長く続いたとしても、今度は少し楽しんで聞けそうです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














