「まだ2歳だし、行っても覚えてないんじゃない?」家族旅行に反対していた夫。だが、妻が伝えた本音とは
何度話しても、同じところで止まっていた
子どもが二歳のころ、私は一度、家族で飛行機に乗って旅行をしたいと思っていました。
寝かしつけを終えた夜、パンフレットを広げて夫に話してみても、返ってくる言葉はいつも似ています。
「まだ2歳だし、行っても覚えてないんじゃない?」
夫はもともと旅行が好きなほうではありません。休みの日は家でゆっくりしたい人で、出かけるとなれば費用や荷物、移動時間のことを先に考えます。
私が「今のうちにいろんなものを見せてあげたい」と言うと、夫はこう返しました。
「それなら、近くでも十分じゃない?」
言われてみれば、その通りです。子どもが楽しめる場所なら、わざわざ飛行機に乗らなくてもあります。
それでも私は諦めきれず、何度か同じ話をしました。そのたびに「子どものためだから」と理由を並べていたのですが、話せば話すほど、自分でも何か違う気がしてきました。
説得するのをやめて、本当のことを言った
ある夜、また夫に旅行の話をしたときのことです。
夫がいつものように「この子は覚えてないと思うよ」と言ったところで、私は説明するのをやめました。
「子どものためじゃない、私が2歳のこの子と行きたいの」
言ってから、自分でもそれが一番しっくりくる理由だと気づきました。
子どもが覚えていなくても構わない。小さな手をつないで空港を歩いたことも、飛行機の窓を一緒にのぞいたことも、覚えているのは私でいい。
今の大きさの子どもと旅行できるのは、今しかありません。
夫はしばらく何も言いませんでした。
それまで私は、子どもにとってどんな良さがあるかを説明しようとしていました。でも、その夜初めて「私が行きたい」と自分の希望として話したのです。
少しして、夫が言いました。
「そういうことなら」
反対する言葉ではありませんでした。そこから初めて、行くことを前提に話が進みました。
いちばん写真を撮っていたのは夫だった
その秋、私たちは初めて家族で飛行機に乗りました。
着替えやおむつで荷物は想像以上に増え、出発の朝には玄関にかばんがいくつも並びました。それでも、空港へ向かうだけで私はうれしかったのを覚えています。
子どもは離陸するときに少し泣きましたが、落ち着いてからは窓の外をじっと見ていました。
「思ったより平気だな」
夫はそう言いながら、何度もスマートフォンを向けていました。
座席に座る子ども。窓の外を見ている子ども。荷物を抱えている私。
行く前はいちばん慎重だった夫が、旅行中はいちばん多く写真を撮っていたと思います。
今、その写真を子どもに見せることがあります。
すると、自分が写っている写真を指さして聞きます。
「これ誰?」
夫が言っていた通り、本人にはほとんど記憶がありません。
それでも私は、あの日の空港や、飛行機の窓から見えた景色を今でも覚えています。
子どものためだと説明していたときには進まなかった話が、「私が行きたい」と言ったことで初めて動きました。
あの旅行で一番大切だったのは、立派な理由を探すことではなく、自分が本当に望んでいることを夫に伝えることだったのだと思います。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














