「え、あれって奢りじゃないの?」1,000円を立て替えて1か月後、ママ友の返事に言葉を失った私
伝票を持った私に、手を合わせたママ友
園の送りを終えた朝、ママ友に誘われて、園から歩いて数分の喫茶店に入った。
窓際の席でモーニングセットを頼み、子どもの話をしているうちに時間が過ぎていた。
「そろそろ行こうか」
そう言って席を立とうとすると、ママ友が慌てたように鞄の中を探し始めた。
「あれ…うそ、財布ない」
何度か鞄をのぞいたあと、困った顔でこちらを見る。
「ごめん。今日だけ立て替えてもらっていい?」
「うん、いいよ」
申し訳なさそうに手を合わせられ、私は二人分をレジで支払った。ママ友の分は1,000円だった。
翌日も、その次の週も、園の門の前で何度か顔を合わせた。
「おはよう。今日も暑いね」
ママ友はいつも通り話しかけてくるものの、あの日のお金については何も言わない。
たった1,000円だし、こちらから催促するほどでもない。そう思う一方で、会うたびに少しずつ気になるようになっていた。
三人のテーブルで、空気が変わった瞬間
ひと月ほどたったころ、もう一人のママ友を交えて三人でお茶をした。
そろそろ帰ろうかと鞄をまとめ始めたとき、私は思い切って口を開いた。
「そういえば、この前のモーニング代って覚えてる?」
ママ友は少し考えてから「ああ」とうなずいた。
「財布忘れた日に、私が1,000円払ったやつ」
すると、ママ友は不思議そうな顔をした。
「え、あのモーニング代って奢りじゃないの」
思いがけない返事に、私は一瞬言葉が出なかった。
「え?でも、立て替えてって言ってたよね」
「そうだった?なんか、そのままでいいんだと思ってた」
あまりにあっさり言われて、私のほうが細かいことを気にしているような気持ちになった。
「いや、責めたいわけじゃないんだけど…立て替えたつもりだったから」
すると、隣で話を聞いていたもう一人のママ友が、少し困ったように口を開いた。
「私も、『立て替えて』って言われたら、あとで返す話だと思うかな」
ママ友はそこで初めて黙り、少し考えるように視線を落とした。
「…そっか。ごめん、私が勘違いしてた」
財布から1,000円札を取り出し、私に差し出した。
「これ、返すね。ごめんね」
「うん。ありがとう」
それ以上、誰もその話を引きずらなかった。
店を出ると、もう一人のママ友が「今度は公園でお弁当でも食べようよ」といつもの調子で笑った。
金額は1,000円でした。それでも私が気にしていたのは、お金そのものより、同じ出来事でも受け取り方がこんなに違うことだったのかもしれません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














