「できれば窓側がよかったんだけど」他人の指定席に座っていた女性。だが、車掌の確認で分かった勘違い
窓側から立たない年配の乗客
発車を待つ新幹線の車内は、荷物を網棚に上げる音や話し声でざわついていました。
私の席のすぐ前の列では、年配の女性が切符を手にしたまま通路に立っています。
その窓側には、同じくらいの年代の別の女性がすでに座っていました。
立っていた女性が、遠慮がちに声をかけます。
「あの、すみません。窓側は私の指定席なんですけど…」
座っていた女性は驚いたように顔を上げ、自分の切符を見ました。
「え?ここじゃないの?私も窓側だと思ってたんだけど」
「そうですか。でも、私の切符にはここの番号が書いてあって…」
女性は切符を見せましたが、座っている女性も「おかしいわね」と首をかしげています。
その間にも、後ろにはキャリーケースを引いた乗客が立ち止まり始めました。
立っていた女性は少し困った表情で、もう一度声をかけました。
「すみません。やっぱり、窓側は私の指定席なんですけど…」
そこへ車掌さんが通りかかり、二人の様子を見て足を止めました。
「どうされましたか?」
事情を聞いた車掌さんは、二人の切符を受け取って座席番号を確認しました。
切符を見た車掌さんの案内
「確認できました。こちらの窓側のお席は、こちらのお客様のお席ですね」
そう言って、通路に立っていた女性へ切符を返します。
続いて、座っていた女性の切符の番号を指しました。
「お客様のお席は、こちらではなく隣の列の通路側です」
「あら…本当だ。私、窓側だと思い込んでたわ」
女性は切符を見直してから、窓の外へちらりと目を向けました。
「できれば窓側がよかったんだけどね」
「申し訳ありません。こちらは指定されているお客様がいらっしゃいますので、ご自身のお席へお願いいたします」
車掌さんが穏やかに伝えると、女性は少し残念そうに息をつきました。
「そうね。間違えたなら仕方ないわね」
手さげを持って立ち上がり、自分の席へ移っていきました。
「ありがとうございました」
窓側の席を指定していた女性が車掌さんに頭を下げ、ようやく席に座ります。
「お待たせしました」
車掌さんはそう答えると、通路の先へ歩いていきました。
止まっていた乗客も再び動き始め、ほどなくして新幹線はホームを離れました。
強い言葉で責めるのではなく、切符を確認して必要なことだけを伝える。その淡々とした対応が、かえって印象に残った出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














