tend Editorial Team

2026.09.20(Sun)

「できれば窓側がよかったんだけど」他人の指定席に座っていた女性。だが、車掌の確認で分かった勘違い

「できれば窓側がよかったんだけど」他人の指定席に座っていた女性。だが、車掌の確認で分かった勘違い

窓側から立たない年配の乗客

発車を待つ新幹線の車内は、荷物を網棚に上げる音や話し声でざわついていました。

私の席のすぐ前の列では、年配の女性が切符を手にしたまま通路に立っています。

その窓側には、同じくらいの年代の別の女性がすでに座っていました。

立っていた女性が、遠慮がちに声をかけます。

「あの、すみません。窓側は私の指定席なんですけど…」

座っていた女性は驚いたように顔を上げ、自分の切符を見ました。

「え?ここじゃないの?私も窓側だと思ってたんだけど」

「そうですか。でも、私の切符にはここの番号が書いてあって…」

女性は切符を見せましたが、座っている女性も「おかしいわね」と首をかしげています。

その間にも、後ろにはキャリーケースを引いた乗客が立ち止まり始めました。

立っていた女性は少し困った表情で、もう一度声をかけました。

「すみません。やっぱり、窓側は私の指定席なんですけど…」

そこへ車掌さんが通りかかり、二人の様子を見て足を止めました。

「どうされましたか?」

事情を聞いた車掌さんは、二人の切符を受け取って座席番号を確認しました。

切符を見た車掌さんの案内

「確認できました。こちらの窓側のお席は、こちらのお客様のお席ですね」

そう言って、通路に立っていた女性へ切符を返します。

続いて、座っていた女性の切符の番号を指しました。

「お客様のお席は、こちらではなく隣の列の通路側です」

「あら…本当だ。私、窓側だと思い込んでたわ」

女性は切符を見直してから、窓の外へちらりと目を向けました。

「できれば窓側がよかったんだけどね」

「申し訳ありません。こちらは指定されているお客様がいらっしゃいますので、ご自身のお席へお願いいたします」

車掌さんが穏やかに伝えると、女性は少し残念そうに息をつきました。

「そうね。間違えたなら仕方ないわね」

手さげを持って立ち上がり、自分の席へ移っていきました。

「ありがとうございました」

窓側の席を指定していた女性が車掌さんに頭を下げ、ようやく席に座ります。

「お待たせしました」

車掌さんはそう答えると、通路の先へ歩いていきました。

止まっていた乗客も再び動き始め、ほどなくして新幹線はホームを離れました。

強い言葉で責めるのではなく、切符を確認して必要なことだけを伝える。その淡々とした対応が、かえって印象に残った出来事でした。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.09.20(Sun)

「子どもは多いほうがいいよ。元気なうちにね」スーパーで話しかけてきた初対面の男性。後日、再会した私が逃げたワケ
tend Editorial Team

NEW 2026.09.20(Sun)

「あの席、まだ片付かないんですか?」窓ぎわの席をめぐって止まったレジ。だが、店長が示した別の選択肢
tend Editorial Team

NEW 2026.09.20(Sun)

「椅子が一つしかないんだけど」窓ぎわの一人席で声を荒らげた女性。だが、帰り際に私へかけた一言とは
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.11.10(Mon)

「ベビーカーで電車乗るなよ」と吐き捨てた男。困惑する私を救った、他の乗客が放ったある一言【短編小説】
tend Editorial Team

2025.10.08(Wed)

本田圭佑、高市新総裁の「働いて」発言に「質に拘れ」と提言。ネットでは「質への意識がないと結果は出ないですよね」と共感の声...
tend Editorial Team

2026.03.17(Tue)

3.11に赤飯は不謹慎か?匿名電話1本で給食2100食を廃棄した教育委員会の「事なかれ主義」に批判殺到
tend Editorial Team