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2026.10.06(Tue)

「3万円のことなんだけど」返済を切り出せなかった私が、2か月後に知った妹の事情

「3万円のことなんだけど」返済を切り出せなかった私が、2か月後に知った妹の事情

言い出せないまま過ぎた、2か月

20代後半の妹にお金を貸したのは、冬の初めのことでした。

仕事帰りに私の部屋へ寄った妹が、玄関先で申し訳なさそうに両手を合わせたのです。

「ごめん。急に物入りで…3万円だけ借りられないかな。来月には返すから」

30代の私は、その場で3万円を貸しました。困ったときはお互いさまだと思っていたからです。

ところが、約束していた月になっても、妹からお金の話は出ませんでした。

忘れているのかな。でも、こちらから催促するのも気まずい。

そう思うとなかなか言い出せず、私は自分の部屋で切り出し方を考えるようになりました。

「この前のお金、どうなったかなって」

少し嫌味っぽく聞こえる気がします。

「ほら、例のあれ、覚えてる?」

これでは何の話か分かりません。

お茶を飲んでいるときがいいのか、帰りぎわがいいのか。手帳の端に言い方まで書いてみたこともありました。

それでも実際に妹を前にすると、なかなか口にできません。

そんなことをしているうちに、約束の月を過ぎてから2か月がたっていました。

こたつの上に置かれた白い封筒

休日の昼、実家の居間で妹と2人きりになりました。

こたつの向かいで、妹はみかんをむいています。

今しかない。

そう思った私は、こたつの中で手を握り、大きく息を吸いました。

「あの、来月って言ってた3万円のことなんだけど」

何度も考えたはずなのに、声は少し裏返ってしまいました。

すると妹は「あっ」と声を上げ、みかんを置きました。

「ごめん。ちょっと待って」

妹がかばんから取り出したのは、白い封筒でした。

こたつの上を滑らせるようにして、私の前へ差し出します。

表には「お姉ちゃんへ」と書かれ、その横には2か月前の日付がありました。

「え、この日付…?」

「お給料が出た日に入れたの。渡そうと思ってたのに、ずっと言いそびれてて。ごめん」

妹は気まずそうに笑いました。

返すこと自体を忘れていたわけではなかったのだと分かり、私は一気に力が抜けました。

もちろん、用意したなら早く渡してほしかったという気持ちはあります。それでも、あれほど身構えていた自分がおかしくなってきました。

「お姉ちゃん、さっきすごい顔してたよ。何言われるのかと思った」

「こっちは、この話をするのにずっと悩んでたんだから」

そう言いながら封筒を受け取り、私はこたつの天板におでこをつけました。

妹は笑いながら、むいたみかんを一房、私の頭の横にそっと置きました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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