「そんなの聞いてない!」1か月前のセール品を交換したい女性客。先輩がレシートの一行を示すと、態度が一変
混み合うレジに広げられたニット
学生のころ、私は服の店でアルバイトをしていました。
あるセール期間中、特に混み合う時間帯のことです。レジの前には会計を待つお客様が長い列を作っていました。
その列から進み出た40代くらいの女性客が、紙袋からニットを1着取り出し、レジ台に広げました。
「これ、サイズが合わなかったの。色違いと替えてもらえる?無理なら返金で」
差し出されたレシートを見ると、購入日は1か月前でした。
今回のセールではなく、その前の別のセールで購入したものです。
「申し訳ございません。セール品の返品・交換は、お買い上げから1週間以内とさせていただいておりまして…」
私が説明し終わる前に、女性客の表情が険しくなりました。レジ台に身を乗り出し、大きな声を上げたのです。
「そんなの聞いてない!責任者を呼んで!」
「タグだってついてるし、袖も通してないのよ。見れば分かるでしょ」
女性客はレジ台を指でたたきながら、私をにらみつけました。
商品が未使用だという主張は分かりましたが、返品・交換の期限はすでに過ぎています。
私はどう説明すれば納得してもらえるのか分からず、焦っていました。
先輩が落ち着いて読み上げた一行
「こんな融通の利かない店、本部に苦情を入れてやるから!」
女性客の声が店内に響き、後ろに並んでいたお客様たちが顔を見合わせました。
私はレジの内側で立ち尽くしていました。
そこへ先輩の女性スタッフが来て、私とそっと立ち位置を入れ替わりました。
「お客様、こちらのレシートを拝見しますね」
先輩はレシートを持ち上げ、いちばん下の一行に指を添えました。
そして、後ろの列まで届く落ち着いた声で読み上げました。
「セール品の返品・交換は、お買い上げ日から1週間以内とさせていただきます」
「こちらは、お会計の際にもご案内している内容です」
女性客は何か言おうとして口を開きかけましたが、そのまま黙り込みました。
自分が持ってきたレシートに、返品・交換の期限がはっきり印字されていたのです。
購入時にどのような説明を受けたのか、私には分かりません。ただ、先輩が実際の印字を示したことで、私が口頭で伝えた決まりをその場で確認してもらえました。
列のあちこちで、小さくうなずくお客様の姿が見えました。女性客はニットをつかんで紙袋に押し込むと、何も言わず足早に店を出ていきました。
先輩は私のほうに振り向き、小声で言いました。
「説明、ちゃんと合ってたよ。次はレシートを見せてあげて」
私はうなずき、列で待っていた次のお客様を呼びました。決まりを伝えるだけでなく、相手が確認できるものを示すことも大切なのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














