「うちは子どもが多いから得だね」お年玉の金額を見て笑ったいとこ。翌年、息子が何気なく口にした一言で気まずい空気に
お年玉の金額を見て笑い出したいとこ
お正月は毎年、親戚が伯父の家に集まります。
大人たちがおせちを囲むそばで、子どもたちは楽しそうにはしゃいでいました。
私には娘が2人、いとこには子どもが3人います。
私はお年玉を1人5,000円と決めていたので、いとこの子どもたちには合計15,000円を渡しました。
一方、いとこが娘たちにくれたお年玉は、それぞれ1,000円でした。
金額に差はありましたが、お年玉は気持ちのものです。私は娘たちにお礼を促しました。
「ちゃんとお礼を言おうね」
「ありがとうございます!」
そのとき、いとこの子どもたちが、もらったぽち袋を持って父親のところへ駆け寄ってきました。
いとこは中身を確認すると、軽く口笛を吹きました。
「おっ、こんなに入ってるのか」
そして、私たちのほうを見ながら笑ったのです。
「うちは子どもが多いから得だね」
いとこは膝をたたきながら、さらに言いました。
「毎年これなら助かるよ。なあ」
冗談のつもりだったのでしょうが、私は返事に困ってしまいました。
子どもの人数が違えば、受け取る金額に差が出るのは分かっています。ただ、それを本人から「得だ」と言われると、あまりいい気持ちはしません。
周りの親戚も苦笑いしていましたが、特に誰も口を挟みませんでした。
私も娘たちの前でお金の話をするのは嫌だったので、その場では何も言わずにいました。
帰り道、妻がぽつりと言いました。
「お金のことより、あの言い方がね」
「うん。俺もそこが引っかかった」
妻も同じことを感じていたようでした。
翌年、息子の何気ない一言に困ったいとこ
翌年のお正月も、いつものように伯父の家に親戚が集まりました。
私がいとこの子どもたちにお年玉を渡していると、小学生のいちばん上の男の子が、ぽち袋を手に父親を振り向きました。
「パパ、去年いっぱいもらったから、今年はお返ししようね」
いとこは一瞬、何のことか分からないような顔をしました。
「え?お返し?」
「うん。去年、得だねって言ってたでしょ?」
男の子は当たり前のことを言うように、にこにこしています。
「だから、こっちもいっぱいあげようよ」
その言葉に、近くで話していた親戚たちも思わず会話を止めました。
いとこは少し気まずそうに笑いました。
「ああ……そうだな」
男の子は父親の袖を引き、返事を待っています。
「……分かった、分かった」
いとこは財布を取り出すと、娘たちにお年玉を渡しました。去年よりも多い金額でした。
「ありがとう!」
娘たちがお礼を言うと、いとこは「うん」と短く答えました。
私は何も言いませんでしたが、去年の言葉を息子が覚えていたことに驚きました。
その後、伯父が親戚たちに声をかけました。
「お年玉も、家によって金額が違うと気を使うし、目安くらいは決めておこうか」
その提案をきっかけに、親戚の間で今後のお年玉の目安を決めることになりました。
いとこも、特に反対することなくうなずいていました。
帰り道、妻が小さく笑いました。
「子どもって、ちゃんと聞いてるんだね」
「ほんとだな」
男の子は、ただ去年のことを覚えていただけなのでしょう。
大人が何気なく口にした言葉でも、子どもの記憶には残っているものなのだと、改めて感じました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














