「新しく開いたんだから、先に来た人からじゃないんですか?」レジに割り込んだ女性客。だが、店員が優先したのは
新しく開いたレジに、横から入ってきた女性客
夕方のスーパーは、買い物客で混雑していました。
レジには長い列ができていて、私もかごを持って順番を待っていました。
しばらくすると、隣の閉まっていたレジに若い男性の店員さんが入りました。
「こちらのレジも開けます。どうぞ」
その声を聞き、列の先頭にいたおじいさんが隣のレジへ移ろうとしました。
ところが、そのときです。
列に並んでいなかった女性客が通路の横から現れ、おじいさんより先に新しいレジへ向かったのです。
おじいさんは驚いた様子で足を止めました。
すると、列の前のほうにいた作業着の男性が声をかけました。
「すみません。こちら、並んでるんですけど」
女性客は振り返り、少し不思議そうな顔をしました。
「え?でも、こっちのレジは今開いたんですよね?」
「そうですけど、みんな順番を待ってたので…」
男性がそう伝えても、女性客は納得していない様子でした。
「新しく開いたんだから、先に来た人からじゃないんですか?」
そう言って、女性客はかごをレジ台に載せました。
「これ、お願いします。袋もください」
確かに新しく開いたレジですが、目の前にはずっと待っていた人たちがいます。
私も、さすがにそれは違うのではないかと思いました。
店員さんが優先したのは、先に並んでいた人
すると、店員さんは女性客のかごには手をつけず、落ち着いた声で言いました。
「お待ちいただいていた方から順にご案内します」
そして、列の先頭にいたおじいさんに向かって、
「お次のお客様、こちらへどうぞ」
と声をかけたのです。
おじいさんがレジへ進もうとすると、女性客は慌てて店員さんに言いました。
「えっ、でも私が先にこっちに来ましたよね?」
店員さんは丁寧な口調のまま答えました。
「申し訳ありません。先にお並びのお客様がいらっしゃいますので」
「でも、新しく開いたレジですよね?」
「はい。ただ、お待ちいただいていた方を優先してご案内しています。恐れ入りますが、最後尾へお願いいたします」
女性客は少し困ったような顔で周囲を見回しました。
しかし、ほかのお客さんたちも順番を待っていたため、誰も女性客の前へ出ようとはしません。
そのとき、列の中ほどにいた小さな男の子が、母親の袖を引っ張りました。
「あの人、並んでなかったよね」
母親は慌てて男の子を抱き寄せました。
女性客にも聞こえたのか、気まずそうに顔を伏せています。
そして、レジ台に載せたかごを持ち上げると、何も言わずに列の後ろへ歩いていきました。
結局、女性客が並んだのは、先ほどよりも長くなった列の最後尾でした。
その後は順番どおりに案内が進み、私も新しいレジで会計をすることになりました。
店員さんは私にも、穏やかな声で「お待たせいたしました」と声をかけてくれました。
強い口調で注意するわけでもなく、ただ順番を守って対応してくれた店員さん。
当たり前のことかもしれませんが、その落ち着いた対応が、とても印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














