「今日の会計も、俺らが渡した封筒から払うんだよね」帰省のたびにお礼を求める義母が、夫の一言に黙りこんだ
帰省のたびに「ごちそうしてあげた」と言う義母
夫の実家へ帰省するたびに、私たちは義父母へ心づけを入れた白い封筒を渡していました。
夜になると、歩いて行けるファミリーレストランで一緒に食事をするのが、いつもの流れでした。
席に着くと、義母はメニューを広げ、次々と料理を注文します。
「これと、こっちのお肉もお願いね」
「おいおい、そんなに食べられるのか?」
義父が笑いながら声をかけると、義母は楽しそうに答えます。
「いいじゃない。せっかくみんなで来たんだから」
結局、義父も料理を追加し、テーブルにはたくさんのお皿が並びます。
義父母が楽しそうに食事をしているのを見るのは、私もうれしいことでした。
ただ、一つだけ、どうしても引っかかることがありました。
会計はいつも義母が担当するのですが、食事代には私たちが渡した封筒のお金が使われていました。義母が自分のお金から足すのは、少しだけです。
それなのに、食事が終わると決まって私に言うのです。
「ごちそうしてあげたんだから、ちゃんとお礼は言ってね」
私はそのたびに「ありがとうございます」と頭を下げていました。
義実家ではお茶を出してもらったことすらないのに、どうして毎回こちらがお礼を求められるのだろう。
そう思っても、せっかくの帰省で気まずくなるのが嫌で、何も言えずにいました。
伝票の隣に置かれた白い封筒
ある帰省の日も、いつものように家族でファミリーレストランへ行きました。
食事を終え、店員さんが伝票を置いていったときのことです。
義母はバッグから、私たちが渡した白い封筒を取り出しました。そして、伝票の隣に置きます。
「じゃあ、今日も私が払うわね」
私はいつものようにお礼を言おうとしました。
ところが、その前に義母がこちらを向いたのです。
「ほら、お礼は?ごちそうするんだから」
私が一瞬言葉に詰まると、義母は少し不満そうな顔になりました。
「もう、毎回こっちから言わせないでよ」
またか……。
そう思いながら私が頭を下げかけたとき、隣にいた夫が口を開きました。
「母さん、ちょっといい?」
「何よ?」
夫は伝票の横に置かれた封筒を見て、静かに言いました。
「今日の会計も、俺らが渡した封筒から払うんだよね」
義母は一瞬、夫の顔を見つめました。
「それは…」
何か言いかけましたが、その先の言葉は出てきません。
義父も気まずそうに湯のみを手に取り、お茶をすすっていました。
夫はそれ以上責めることもなく、義母も黙ったまま封筒と伝票を手にしました。
その夜、帰りの車の中で、夫がぽつりと言いました。
「今まで、ごめんな」
「ううん。言ってくれて、ありがとう」
私はそう答えました。
今までずっと引っかかっていたことを、夫も分かってくれていた。それだけで、気持ちが少し軽くなりました。
それからは帰省の際に封筒を渡す代わりに、夫が直接、食事の伝票を持ってレジに立つようになりました。
義母がお礼を求めてくることも、なくなりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














