「お前の保険料も俺の給料から引かれてるんだよ」夫を信じて払い続けた妻。だが、弁護士の前で振込記録を示した結果
「お前の保険料も引かれている」と言った夫
結婚して夫の会社の健康保険の扶養に入ったころのことです。
私は昼間にパートで働き、夜は家事に追われる毎日を送っていました。
ある夜、夫が居間のソファで給与明細を眺めながら、舌打ちをしました。
「なんでこんなに手取りが少ないんだよ…」
そして、そばにいた私に向かって言いました。
「お前の保険料も俺の給料から引かれてるんだよ。その分は毎月払ってくれ」
「えっ、私の分も?いくら払えばいいの?」
「ちゃんと計算してあるから。この金額でいいよ」
夫が示した金額が、どう計算されたものなのかは分かりませんでした。
それでも、保険の仕組みに詳しくなかった私は、そういうものなのかと思い、その場で現金を渡しました。
翌月からは夫に言われ、毎月、夫の口座へ振り込むようになりました。
夫の言葉を信じ、疑問を持たずに払い続けていたのです。
調べて分かった保険料の仕組み
しばらくして、私は会社の健康保険について調べることにしました。
すると、原則として、扶養家族が増えても本人の健康保険料が人数分上乗せされるわけではないと知ったのです。
夫の給与明細にも、私の分の保険料として記載された項目は見当たりませんでした。
「えっ……じゃあ、今まで払っていたお金は何だったの?」
私は夫に尋ねました。
「ねえ、私の保険料のことなんだけど。調べたら、扶養に入っても普通は保険料って増えないみたいだよ」
夫はリモコンを持ったまま、面倒くさそうに答えました。
「今さら言われても」
「でも、私の分が給料から引かれてるって言ったよね?だから毎月払ってたんだよ」
「もう受け取ったものだし、今さら返せって言われても困るよ。しつこいな」
それ以上、夫は話そうとしませんでした。
もちろん、夫婦で生活費を分担すること自体がおかしいとは思いません。
ただ、私は保険料だと説明されたからこそ、お金を渡していたのです。
そのことを曖昧にされたままでは、納得できませんでした。
振込記録を前に黙り込んだ夫
その後、いろいろなことが重なり、私は夫と別居して離婚の準備を進めることになりました。
その際、保険料として夫に渡してきたお金についても整理しました。
翌月以降の振込履歴をさかのぼり、日付と金額を一覧にまとめて、弁護士に渡したのです。
そして、夫との話し合いの日。
昼の弁護士事務所で、私と女性の弁護士は夫の向かいに座っていました。
弁護士は机に振込記録の一覧を広げ、夫に尋ねました。
「こちらが、奥さまからご主人への振込記録です。保険料としてお支払いしていたと伺っています」
夫は一覧をちらりと見て、つぶやきました。
「……今さら、そんな昔の話をされても」
「以前のお話ではありますが、確認は必要です。奥さまの扶養加入によって保険料が増えたというのは、どういうことでしょうか」
夫は口を開きかけましたが、何も答えませんでした。
弁護士は続けました。
「通常、扶養家族が増えたことで健康保険料が人数分加算されるわけではありません。何の費用として受け取られていたのか、説明していただけますか」
夫は視線を落とし、机の上の一覧を見つめたまま黙り込んでしまいました。
「この件についても、引き続き話し合っていきたいと思います」
弁護士の言葉に、夫は小さくうなずくだけでした。
もちろん、その場でお金が返ってくると決まったわけではありません。
それでも、あれほど「今さら」と取り合ってくれなかった夫が、振込記録を前に何も答えられずにいる。
私は、ようやく自分の疑問を正面から取り上げてもらえたように感じました。
言われるままに渡してきたお金のことを、うやむやにしなくてよかった。そう思った日でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














