「30個、全部縫ってくれるわよね?」とバザーの手作り作業を私一人に丸投げする役員。冷静に言い返すと渋々折れた
私に向けられた役員の笑顔
役員は笑顔で、巾着袋30個の縫製を私に頼みました
子どもが通う小学校で、毎年恒例のバザーの準備会が開かれました。
私はその日、同じ班のママと会議室の長机に並んで座っていました。
今年の目玉は、手作りの巾着袋です。
ところが、普段からミシンを使う人は、この場にはほとんどいませんでした。
縫う作業の話になると、誰もが手元の書類に目を落とし、手を挙げる人はいませんでした。
そのとき、保護者会の役員が満面の笑みで私を見ました。
仕切り屋で知られる人です。私の趣味がハンドメイドだと、いつの間にか知っていたようでした。
「30個、全部縫ってくれるわよね?」
役員はそう言って、私の肩をぽんと叩きました。
まるで、もう決まったことのような口ぶりです。
同じ班のママは下を向き、私は口を結びました
私は思わず言葉に詰まりました。
同じ班のママを見ても、当たらずに済んだと言いたげに下を向いています。
助けてくれそうな人は、いません。
ここで一度でも引き受ければ、この先ずっと縫い物は私の仕事にされてしまう。
それは目に見えていました。
「あなた、こういうの得意でしょう?」
役員は笑顔のまま、私の返事を待っています。口を一文字に結んだまま、私は断る言葉を探しました。
断ったあとの切り返し
私は一人では無理だと断り、作業を分ける案を出しました
それでも、このまま押し切られるわけにはいきません。
私は小さく息を吸って、役員のほうを向きました。
「手芸は好きです。でも仕事があって忙しいので、一人で30個を縫うのは無理です」
はっきり断っても、役員は笑顔のまま言い返してきました。
「他の人はミシンもないから無理よ。」
不器用な人ばかりだから、とまで付け足します。
私は、その場で考えた案を口にしました。
布を切るのも、アイロンをかけるのも、紐を通すのも、ミシンはいりません。
縫う工程だけでなく、準備や仕上げにも人手が必要です。
「ミシンなしの作業はみんなで分けます。」
ただ、それだけでは30個すべてを私が縫うことになってしまいます。
そこで、縫製を担当できる人を改めて募り、難しければ制作数を減らすことも提案しました。
役員は渋々うなずき、作業は全員で分けることになりました
役員は口を開きかけましたが、私は続けました。
「無理なら、手作りはやめませんか?」
既製品を扱う方法も検討すれば、誰も無理をしなくて済みます、と私は付け加えました。
会議室から話し声が消え、役員は何か言い返そうとして、うまく言葉が出てきません。
同じ班のママも、手作りをやめる話になって初めて顔を上げました。
役員を見たり、私を見たり、落ち着かない様子です。
役員は手作り品を今年のバザーの目玉にしたかったようです。
しかし、このままでは企画自体を見直すことになります。
やがて役員は小さく息をつき、渋々といった顔でうなずきました。
「分かったわ。手分けしましょう。」
切る人、アイロンの人、紐を通す人と、その場で係が決まりました。
縫製についても、私一人に30個すべてを任せるのではなく、ほかに担当できる人がいないか確認することになりました。
それでも人手が足りなければ、制作数を減らす方針です。
こうして、一人に作業を押しつけるのではなく、全員でできる範囲を分担して進めることになりました。
同じ班のママの肩から力が抜け、会議室にほっとした空気が戻りました。私も、無理な約束をせずに済んだことに胸をなで下ろしました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














