「いつも送ってくるのは1万2千円よ」そう言い張っていた義母。20万円を送ったというひいおじいちゃんの前で、私が伝えた事実
電話で聞く金額と、封筒の中身が違う
子どもたちのひいおじいちゃんは、夫の祖父です。
80歳を超えてもお酒が好きで、年に2回ほど、ほろ酔いの声で電話をかけてきます。
「子どもたちにお金を送ったから、おばあちゃんからもらってね」
電話で聞く金額は、5万円のときもあれば、20万円のときもありました。
「そんなにたくさん、いただけませんよ」
私がそう言っても、ひいおじいちゃんはいつも気前よく話してくれます。
ところが、義実家で義母から渡される封筒には、毎回1万2千円しか入っていませんでした。
最初は聞き間違いかと思いましたが、何度も同じことが続きます。
ふだん食事に連れて行ってもらっていることもあり、義母にはなかなか聞けずにいました。
それでも気になり、ある日の昼、義実家で封筒を受け取ったあと、思い切って尋ねてみました。
「あの、この前ひいおじいちゃんから電話があって……。もっと大きな金額を送ったと聞いたんですが」
義母は湯のみを置くと、面倒そうにため息をつきました。
「ああ、あの人の話ね。酔ってたんでしょ?」
「はい、少し酔っていたみたいですけど……」
「本当に、酔うと適当なことばっかり言うんだから。いつも送ってくるのは1万2千円よ」
「そうなんですか……」
「あの人の言うこと、いちいち真に受けないほうがいいわよ」
義母はそう言うと、話を切り上げるように台所へ行ってしまいました。
それ以上は聞けませんでしたが、ひいおじいちゃんの言う金額が本当なら、これまでに100万円近くが子どもたちに渡っていない計算になります。
ただ、確かめる方法もなく、ずっと気になっていました。
お正月に出てきた送金の控え
そんなある年のお正月。義実家の和室で、ひいおじいちゃんと義父、義母、夫、私が座卓を囲んでいました。子どもたちは縁側で遊んでいます。
乾杯の前、ひいおじいちゃんが上着の内ポケットから、輪ゴムでまとめた紙の束を取り出しました。
銀行の送金控えでした。
「そうだ。おこづかい、ちゃんと届いたかい?」
ひいおじいちゃんは子どもたちに声をかけると、控えをめくりながら義母のほうを向きました。
「この前は、20万円送ったんだがね」
その言葉に、私は思わず義母の顔を見ました。
義母は取り皿を持ったまま、動きを止めています。
私は少し迷いましたが、思い切って口を開きました。
「あの……私たちがいただいたのは、1万2千円なんです」
「えっ、そうなのかい?」
ひいおじいちゃんが驚いた顔をしました。
夫も義母のほうを向きます。
「母さん、どういうこと?」
「いや、それは……」
「前に聞いたときは、1万2千円しか送ってないって言ってたよね」
私がそう確認すると、義母は目をそらしました。
「……」
義父も義母の顔を見ています。義母は何か言おうとしましたが、結局、その場では説明しませんでした。
目の前には20万円の送金控えがあり、私たちが受け取ったのは1万2千円。少なくとも、義母から聞いていた話とは違っていたのです。
その日のうちに、義父が義母と話をしました。
お金がどうなっていたのか、私には詳しい事情までは分かりません。ただ、それ以降、お祝いのお金は、ひいおじいちゃんが子どもたちの口座に直接振り込んでくれるようになりました。
子どもたちも、ひいおじいちゃんにお礼の手紙を書きました。
そして次のお正月。義母は座卓の端で、ひいおじいちゃんと目を合わせることなく、黙ってお茶をすすっていました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














