「兄弟で半分ずつでいいだろ」両親の古希祝いで宿代を折半しようとする兄。だが、会計時に発覚した認識の違い
家族旅行の夜、兄が持ちかけた割り勘
両親の古希を祝うため、兄の家族と私の家族で温泉旅館に泊まりました。
妻と子どもも一緒の、三世代そろっての旅行です。
兄の家には子どもが3人、私の家には1人います。
夕食の席はにぎやかで、両親も楽しそうに過ごしていました。
今回の旅行では、両親の宿代を兄弟で負担することにしていました。
私は、それぞれの家族の宿泊費は各自で払い、両親の分だけを半分ずつ出すつもりでした。
ところが、その点を兄とはっきり確認していなかったのです。
夕食が終わり、広間でひと息ついていると、お酒で少し顔を赤くした兄が話しかけてきました。
「なあ、明日の会計さ。兄弟で割り勘でいいよな?」
「うん。明細を見てからでいい?」
「ああ、それでいいよ」
私は両親の宿代の話だと思い、それ以上は確認しませんでした。
明細を見た父が兄に告げたこと
翌朝、妻たちが子どもを連れて先に車へ向かい、フロントには両親と兄と私が残りました。
会計の段階になると、兄が私に言いました。
「じゃあ、総額の半分ずつでいいな」
「えっ、全部を半分にするの?」
「そうだよ。昨日、割り勘でいいって言っただろ」
私は慌てて説明しました。
「いや、両親の分を半分ずつって意味だと思ってたんだけど」
「今さらそんな細かいこと言うなよ。せっかくのお祝いなんだからさ」
兄は面倒くさそうな顔をしていました。
「でも、うちは子ども1人だし。自分の家族の分はそれぞれ払うほうがよくない?」
「だから、兄弟で半分ずつでいいだろ。そんなにこだわることか?」
兄の声が少し大きくなり、私は返事に困ってしまいました。
確かに前の晩、きちんと確認しなかったのは私も同じです。ただ、家族の人数が違うのに総額を折半することには納得できませんでした。
すると、それまで黙って聞いていた父が、カウンターに置かれた明細を手に取りました。
しばらく内容を確認してから、兄に尋ねました。
「子ども三人分を、弟に払わせるのか」
「いや、そういうつもりじゃ……」
兄は言いかけて、口をつぐみました。
父は明細を見ながら続けました。
「俺たちの分を出してくれるのはありがたいよ。でも、自分の家族の分は自分で払えばいいんじゃないか?」
隣にいた母も、静かにうなずいていました。
兄は少し黙ったあと、小さな声で答えました。
「……まあ、そうだな」
結局、両親の宿代は兄弟で半分ずつ負担し、それぞれの家族の分は各自で支払うことになりました。
兄は財布を開いて支払いを済ませると、それ以上は何も言いませんでした。
帰りの車で、後ろの席に座っていた母が言いました。
「また来年も、みんなで来ようね」
父も笑ってうなずいていました。
会計のときは少し気まずくなりましたが、母の言葉にほっとしました。
それと同時に、家族同士でも、お金のことは最初にはっきり決めておいたほうがいいのだと感じた旅行でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














