「夜中の目覚まし、お宅でしょ?」身に覚えのない騒音で犯人扱いされた僕。だが、近所に広まったうわさに反論した
夜中に聞こえる目覚ましと、突然の言いがかり
数年前に住んでいた家での出来事です。
当時、妻は仕事で毎晩帰りが遅く、僕はベランダで夜風に当たりながら、妻の帰りを待つのが習慣になっていました。
そのころ、夜中になると、どこからか目覚まし時計のような音が聞こえていました。
鳴る時間は日によってばらばらです。近所のどの家から聞こえているのか分からず、僕も気になっていました。
そんなある朝、ゴミ集積所で近所の奥さんに呼び止められました。昔からこの辺りに住んでいる人です。
「ねえ、夜中に鳴ってる目覚まし、あれお宅でしょ?」
「え?違いますよ。僕も聞こえてますけど」
「でも、奥さんいつも遅くに帰ってくるじゃない。うちの主人も、お宅のほうから聞こえるって言ってたわよ」
「妻の帰りが遅いのは確かですけど、あの音はうちじゃないですよ」
「本当かしらね」
奥さんは疑わしそうな顔をしたまま、ゴミ袋を置いて行ってしまいました。
こちらは何もしていないのに、帰宅時間だけで疑われるなんて。正直、いい気分ではありませんでした。
しかも、それだけでは終わりませんでした。
それからしばらくして、集積所で近所の人たちの態度がよそよそしく感じられるようになったのです。
ある朝、僕がゴミを捨てに行くと、例の奥さんが隣にいた人に話しかけました。
「ほら、あのお宅よ。夜中の目覚まし、迷惑なのよね」
僕にもはっきり聞こえる声でした。
どうやら、僕の家が音の原因だと近所にも話しているようです。
その場で言い返したかったのですが、周りの目も気になり、何も言えませんでした。
ただゴミ袋を置いて帰るしかなかったことが、ずっと心に引っかかっていました。
家を空けていた一週間に起きたこと
そんなある週、僕たちは家族そろって妻の実家へ帰省しました。
先週はずっと家を空け、雨戸もすべて閉めたままでした。
帰省から戻った朝、いつものようにゴミ集積所へ行くと、例の奥さんがほかの近所の人たちと話していました。
「昨日の夜も鳴ってたのよ。ほんと、いいかげんにしてほしいわ」
また僕の家のことを言っているようでした。
これ以上、黙っているわけにはいきません。
僕は奥さんに声をかけました。
「あの、うちは先週ずっと留守でしたよ」
「え?」
「家族で妻の実家に行ってたんです。昨日の夜も家には誰もいませんでした」
奥さんは少し驚いた顔をしました。
すると、近くにいた人が口を開きました。
「ああ、そういえば雨戸、ずっと閉まってたわね」
奥さんは少し考えてから言いました。
「でも、目覚ましって留守でも鳴るでしょ?」
「それはそうです。でも、うちから鳴ってるって確認したわけじゃないですよね」
僕は続けました。
「僕もあの音は聞いてますし、困ってるんです。うちが原因だって、ほかの人に言うのはやめてもらえませんか」
奥さんはすぐには返事をしませんでした。
周りにいた人たちも黙っていて、少し気まずい空気が流れました。
やがて奥さんは視線をそらし、何も言わずにゴミ袋を置きました。
謝罪こそありませんでしたが、それ以降、少なくとも僕の前で、うちが騒音の原因だと言われることはなくなりました。
奥さんも、集積所で顔を合わせると、小さく会釈するだけになりました。
結局、あの目覚ましがどこの家から聞こえていたのかは分かりません。
それでも、確かめてもいないことを、周囲に事実のように話すのはやめてほしい。その気持ちを直接伝えられて、少しほっとしました。
その夜、僕はまたベランダに出て、夜風に当たりながら妻の帰りを待ちました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














