「同居してもらってるしね」弟の子にだけお年玉を多く包む母。翌年のお正月、父が初めて口にした本音
弟の子だけ厚かったお年玉の袋
私は3人きょうだいのいちばん上です。
10年前に結婚して家を出ました。
妹も3年前に結婚して遠くで暮らしていますが、弟は5年前から自分の家族と実家で同居しています。
弟が実家に入れている生活費は月5万円だと聞いていました。
食費や光熱費のほとんどは両親が負担し、弟の子どもたちのおやつまで買っています。
私と妹はそれぞれ自分たちで家計をやりくりしているので、弟の家族だけ少し優遇されているように感じていました。
あるお正月の昼、実家の台所で洗い物を手伝っていたときのことです。
調理台の上に、お年玉用のぽち袋が並んでいました。
何気なく見ると、いくつかの袋だけ明らかに厚みが違います。
気になって母に聞いてみました。
「これ、弟の子の分だけ多いの?」
「そうよ。同居してもらってるしね」
母は当たり前のように答えました。
「でも、うちの子も妹の子も、同じ孫だよね」
「そんなことは分かってるわよ。でも、あなたたちはもう家を出てるでしょう。こっちにもいろいろあるのよ」
そう言うと、母はぽち袋を重ねて棚にしまいました。
母が昔から弟をかわいがっていたことは知っています。同居してくれることをありがたく思う気持ちも分かります。
ただ、それと孫へのお年玉は別の話ではないかと思いました。
それ以上話しても平行線になりそうで、私は黙って洗い物に戻りました。
翌年のお正月、父が口を開いた
次のお正月の昼、実家に私たち3人のきょうだいが集まりました。
子どもたちは私たちの連れ合いたちと庭で凧あげをしていて、居間には両親と私、妹、弟が座っていました。
母はこたつの上にぽち袋を並べ、お年玉の準備を始めました。
見ると、今年も弟の子どもたちの分だけ厚くなっています。
「弟のところは今年も少し多めにしておいたからね」
母がそう言って弟に袋を渡そうとしたとき、新聞を読んでいた父が顔を上げました。
「弟の子だけ多いのか?」
「そうよ。同居してもらってるんだから、これくらいいいでしょう」
すると父は新聞を置き、少し間を置いてから言いました。
「一緒に住んでくれて助かってるのは本当だよ。でも、生活費は月5万円だろ。こっちで負担しているものも多いんだから、特別扱いが当然とまでは言えないよ」
母は驚いたように父を見ました。
「あなた、急に何を言うの」
「いや、前から思ってたんだ。3人とも俺たちの子どもだし、孫だってみんな同じだろ」
父は母の手元のぽち袋に目を向けました。
「お年玉は、みんな同じにしよう」
母は少し困ったような顔をしましたが、すぐには言い返しませんでした。ぽち袋を持ったまま、黙って父の話を聞いていました。
弟は気まずそうに目をそらし、隣にいた妹も何も言いませんでした。
私も驚いていました。母のお年玉の渡し方について、父がここまではっきり意見を言うとは思っていなかったからです。
その年、母はしばらく口数が少ないままでした。
帰り道、妹と並んで歩いていると、妹が小さな声で言いました。
「来年は、みんな同じになるかな」
「そうだといいね」
私たちは顔を見合わせて、少し笑いました。
それからは毎年、孫たちへのお年玉は同じ額になっています。
今でもあのお正月を思い出すと、父があの場で口を開いてくれてよかったと思います。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














