「新しく来た人は決まりを守らない」分別違反の濡れ衣を着せられた私。清掃の日、近所の女性が黙りこんだ理由
引っ越したばかりの私に向けられた疑い
古い住宅街に越してきたばかりのころ、ゴミの分け方も出し方も前の住まいとは違い、私は戸惑っていました。
そんな私に、近所に住む年配の女性が決まりを教えてくれました。ただ、話の終わりには決まってこう付け加えるのです。
「新しく来た人がいちばん決まりを破るんだから、気をつけてね」
ある朝、ゴミ袋を持って集積所へ向かうと、ネットからはみ出すように口の開いた袋が置かれていました。中には瓶が混じっていて、明らかに分別を間違えているようでした。
気になって足を止めていると、例の女性がやってきました。
袋の中身をのぞき、私の手にあるゴミ袋に目を移します。
「これ、あなたが出したゴミでしょう」
「違います。うちのはこれから出すところで」
「越してきたばかりで、分け方なんて覚えてないでしょ」
「いえ、これは本当に私のじゃないんです」
何度説明しても、女性は納得してくれません。
それどころか、通りかかった住人にも聞こえるような声で言いました。
「よそから来た人は、ここの決まりを守らないから困るのよ」
私はそれ以上言い返せず、自分のゴミ袋だけを決められた場所に置いて帰りました。
その後も女性は、ゴミ置き場ですれ違うたびに私をじろりとにらむようになりました。
頼れる知り合いもいなかった私は、人の少ない時間を選んでゴミを出すようになってしまいました。
清掃の朝、別の家の奥さんが明かした事実
それから数日後、町内会の清掃活動がありました。
住人たちが軍手をはめてゴミ置き場の周辺を掃除していると、例の女性が話し始めました。
「この前、新しく越してきた人が決まりを守らないゴミを出してたのよ。燃えるゴミに瓶まで入っててね」
女性がちらりと私を見ると、周囲の住人もこちらに目を向けました。
私は思い切って口を開きました。
「あの、それは私のゴミじゃありません」
「でも、あの日あそこにいたじゃない」
「自分のゴミを出しに行っただけです」
言い合いになりかけたそのとき、近くで掃除をしていた別の家の奥さんが顔を上げました。
「ちょっと待ってください。瓶が入っていた、口の開いた袋のことですか?」
「そうよ。あの袋のことだけど」
すると、奥さんは申し訳なさそうな顔で言いました。
「その袋、うちが出したゴミです」
「え…」
「燃えるゴミの袋に、うっかり瓶を入れてしまったんです。
家に戻ってから気づいて、収集車が来る前に自分で持ち帰りました」
女性は驚いた様子で奥さんを見つめました。
「そうだったの?でも、私はこの人がゴミ置き場にいるところを見たから…」
女性は気まずそうに視線を落としました。
「……そうだったのね。私、てっきりあなたが出したものだと思って。ごめんなさい」
私もようやく肩の力が抜けました。
「いえ。でも、違うとお伝えしたときに、信じてもらえたらよかったです」
女性は小さくうなずき、その後は黙って掃除を続けていました。
片づけが終わると、別の家の奥さんが私のところへ来ました。
「ごめんなさいね。私が分別を間違えたせいで、嫌な思いをさせちゃって」
「いえ、今日ちゃんと説明していただけて助かりました。ありがとうございます」
それからというもの、例の女性が私のゴミに口を出してくることはなくなりました。
今では清掃活動で顔を合わせると、あのとき事情を説明してくれた奥さんと、自然に世間話ができるようになっています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














