tend Editorial Team

2026.05.07(Thu)

女の子の「ボク」呼びは多様性の象徴か単なるブームか。親の戸惑いと現代っ子のリアルな自称詞事情を深掘り

出典:イラストAC

単なる流行なのか、それとも深い意味があるのか。家庭や学校で広がる一人称の変化について、専門家の分析とSNSの反応

ふとした瞬間に、幼い娘の口からボクという言葉が飛び出す。親としては一瞬、耳を疑ってしまうかもしれません。かつてはサブカルチャーの世界で見かけたボクっ娘という存在が、今や現実の教室や公園で当たり前の光景になりつつあります。


実際にボク呼びをしている子どもたちの声を聞くと、そこには切実なこだわりというよりは、もっと軽やかで、それでいて鋭い感覚が隠れているようです。ある子は、お姉ちゃんも使っているから普通のことだと語り、またある子は、短くて言いやすいから友達同士ではボクを使っていると明かします。さらに、わたしと呼ぶのはなんだか恥ずかしいという、照れに近い感情を抱く子も少なくありません。


言語学を研究する専門家によれば、日本語において女の子が子どもらしさを表現できる一人称が不足していることが、この現象の一因だといいます。男の子が、僕から俺、そして私へと成長に合わせて変化していくのに対し、女の子は名前呼びから突然、大人の女性も使う私という言葉へ飛び級しなければなりません。そのギャップを埋めるために、少年性の残るボクという響きを借りてきているというのです。


SNS上では、この現象に対してさまざまな意見が飛び交っています。


『テレビで見る人気タレントの影響が大きそう。真似をしているうちに定着しただけでは』
『学校の授業やスピーチでは私に直される。時と場に応じた使い分けを教えるべき』
『昔から一定数いたし、大人になれば自然と社会のルールに馴染んでいくから心配ない』


否定的な意見というよりは、一過性の流行として冷静に見守る大人が多いようです。一方で、今のボク現象を、単なるノリと片付けるのは早いという指摘もあります。一部の子どもにとっては、私という言葉が象徴する女性像への拒否感や、性自認に関わる切実な選択である可能性も否定できないからです。


昭和の時代を振り返れば、地方のおばあさんが自分のことをワシと呼んだり、江戸っ子がアタイと言ったり、日本語の一人称はもともと非常に豊かでした。そう考えると、現代の少女たちがボクを選ぶのも、自分を表現するための多彩なパレットの一つに過ぎないのかもしれません。


親が抱くモヤモヤの正体は、自分たちの中に深く根付いた、女子はこうあるべきという規範意識なのかもしれません。

 

大切なのは、呼び名そのものを矯正することではなく、その言葉を使って子どもが何を伝えようとしているのか、その心の動きを優しく見つめることではないでしょうか。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.05(Mon)

「えー、かわいい!これ着る!」買い物に失敗したと思った母。数年後、娘を見て笑った理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「昨日のは、なんていう曲?」隣のお風呂の歌声を気にしていた私。だが、ママ友の一言で固まった理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「Mなら余裕だよ」とサイズ表を見なかった私。だが、届いたジャケットを長男が着て分かった勘違い
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.05.19(Tue)

「もっと早く動いてよ!」お客様の前で私にキレた同僚。だが、休憩室での別の同僚の言葉で救われた
tend Editorial Team

2026.02.03(Tue)

「あーあ、大丈夫?ごめんねー」後ろから自転車でぶつかってきた男。だが、お巡りさんの毅然とした態度に救われた話
tend Editorial Team

2026.09.28(Mon)

「ジュースでも買いなさい」ただの世話好きの別部署の人だと思っていた。だが、昼休みの行動に思わず凍りついた
tend Editorial Team